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サルコイドーシスを有する若年男性に生じた異所性膵併存空腸間質腫瘍の1例
柴田, 昌幸; 笹本, 貴広; 尾崎, 貴洋 ...
日本消化器病学会雑誌,
04/2022, Volume:
119, Issue:
4
Journal Article
29歳,男性.24歳からサルコイドーシスを指摘されていた.健診でHb低下を指摘され近医を受診.腹部CTで小腸腫瘍を指摘され精査加療目的に当科紹介となった.小腸内視鏡検査では空腸に30mm大の粘膜下隆起性病変を認めた.小腸部分切除が施行され,摘出された腫瘍は異所性膵が併存したgastrointestinal stromal tumor(GIST)であった.極めてまれな症例であり報告する.
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間葉性軟骨肉腫術後11年目の異時性膵転移に対する1切除例
田中, 寛人; 三島, 江平; 尾崎, 貴洋 ...
膵臓,
2021/02/28, Volume:
36, Issue:
1
Journal Article
右脛骨原発間葉性軟骨肉腫の切除術後11年で膵転移を来した症例を経験したので報告する.症例は40歳男性,29歳時に右脛骨原発間葉性軟骨肉腫の診断で,術前化学療法,腫瘍広範囲切除術,術中放射線照射および術後化学療法を施行した.その後も31歳時に肺転移,33歳時に脳,腹部皮下転移を来し転移巣切除術を施行していた.以後7年間,再発なく経過していたが既往の糖尿病の急激な増悪を契機に施行した腹部CTにて膵腫瘍を指摘された.精査の結果,軟骨肉腫膵転移の診断となり手術加療の方針とした.手術は亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を行い術後15日目で退院し,6カ月間無再発生存中である.軟骨肉腫さらには骨軟部腫瘍の膵転移例は稀な病態であり治療方針に明確な指針はないが,異時性転移の場合は切除することが予後改善につながると考えられた.
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胸腔鏡・腹腔鏡併用手術が有用であった肝性胸水を伴う横隔膜交通症の2例
尾崎, 貴洋; 船水, 尚武; 五十嵐, 一晴 ...
日本腹部救急医学会雑誌,
2023/07/31, Volume:
43, Issue:
5
Journal Article
Open access
症例1は53歳,男性。腹水を伴うアルコール性肝硬変で当院消化器内科に通院中であった。呼吸苦が出現し当院を受診された。胸部X線写真で右胸腔に大量の胸水貯留を認めた。利尿薬やアルブミンを投与するも改善しなかったため手術の方針とした。胸腔鏡・腹腔鏡を併用し,横隔膜の瘻孔部を同定し,組織接着用シート(タコシールⓇ︎)とポリグリコール酸シート(ネオベールシートⓇ︎)を貼付後に,フィブリン糊(ベリプラストPⓇ︎)を噴霧し閉鎖した。症例2は67歳,女性。C型肝硬変で当院消化器内科へ通院中であった。経過中,胸水貯留による呼吸苦を認め,胸腔ドレナージを施行した。横隔膜交通症を疑い1例目と同様に閉鎖した。術後合併症なく両名とも退院された。横隔膜交通症に対する術式として低侵襲な鏡視下手術は有用であった。また縫縮が困難な場合には,組織接着用シートなどによる補強も選択肢の1つになると思われた。
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小腸平滑筋肉腫と大腸平滑筋腫が同時に存在した1例
中西, 亮; 絹川, 典子; 井上, 裕貴 ...
日本消化器内視鏡学会雑誌,
01/2023, Volume:
65, Issue:
1
Journal Article
Peer reviewed
症例は73歳,男性.腹痛を認め来院.腹部造影CT検査で回盲部の腸重積と診断された.内視鏡的に整復後に腹腔鏡下回盲部切除術を施行された.病理結果は小腸平滑筋肉腫による腸重積であった.術後のCSで隆起性病変を認め,内視鏡的粘膜切除術を行ったところ,病理結果は大腸平滑筋腫であった.小腸平滑筋肉腫と大腸平滑筋腫が同時期に存在した症例はこれまでになく,まれであると思われるので報告する.
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von Recklinghausen病に伴う出血性十二指腸GISTの1例
船水, 尚武; 尾崎, 貴洋; 峯田, 章 ...
日本腹部救急医学会雑誌,
2020/09/30, Volume:
40, Issue:
6
Journal Article
Open access
症例はvon Recklinghausen病(von Recklinghausen disease:以下,vRHD)を有する57歳男性で,下血を認め近医を受診した。上・下部内視鏡検査で出血源を特定できず,当院消化器科へ紹介となった。小腸内視鏡検査で十二指腸水平部に1.5 cmの中心陥凹を伴う粘膜下腫瘍を認め,生検により消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal ...
tumor:以下,GIST)と診断された。CTで十二指腸水平部に壁外発育型の腫瘍を認め,十二指腸病変の他に空腸および回腸にも同型腫瘍が多発していた。十二指腸病変が出血源と判断され,切除目的で当科へ紹介となった。前医での輸血後は貧血の進行を認めず待機手術とした。開腹下に十二指腸水平部の責任病変に対して部分切除術を行い,他病変は経過観察とした。腫瘍径は1.5cmで病理組織診断は超低リスクのGISTであった。vRHDを有する患者の消化管出血では,GISTも鑑別診断の1つとして念頭に置く必要がある。
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小腸憩室炎との鑑別が困難であった爪楊枝による小腸穿通の1例
船水, 尚武; 大村, 健二; 尾崎, 貴洋 ...
日本腹部救急医学会雑誌,
2020/07/31, Volume:
40, Issue:
5
Journal Article
Open access
症例は87歳男性。臍周囲の腹痛を主訴に当院を受診した。CTで空腸に多発憩室と遊離ガスを伴う膿瘍を指摘され,小腸憩室穿孔の診断で緊急手術を施行した。腸間膜の肥厚を伴う空腸を腹腔鏡下に部分切除した。経過良好であったが術後11日目に左上腹部痛を認め,縫合不全が疑われた。保存的治療で改善し退院となったが,その1ヵ月後に3度目の腹痛(右上腹部)を認めた。CTで右側腹部に膿瘍を認め,小腸憩室炎の診断で入院保存的加療を行った。軽快し退院となったが,さらに1ヵ月後に4度目の腹痛(右下腹部)で入院となった。CTで小腸憩室炎と診断し,保存的加療後に小腸内視鏡を施行した。回腸末端から可視範囲にわたり散在性に小腸憩室を認めたが炎症部位は不明であった。症状が遷延するため腹腔鏡下回腸部分切除を施行すると,腸管内に爪楊枝を認めた。したがって,位置を変えながら繰り返す腹痛には消化管異物を鑑別にあげる必要があると思われた。
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大腸内視鏡が嵌頓した左鼠経ヘルニアに対し,腹腔鏡と内視鏡を併用しヘルニア根治術を施行した1例
中西, 亮; 五十嵐, 一晴; 尾﨑, 貴洋 ...
日本外科系連合学会誌,
2020, Volume:
45, Issue:
2
Journal Article
Open access
症例は73歳男性で,以前より左鼠径部の膨隆を自覚していたが,左鼠径ヘルニアとは診断されていなかった.便潜血陽性精査の目的にて下部消化管内視鏡検査を受けたところ,内視鏡抜去時に抵抗を感じ,同時に下腹部痛が増強した.左鼠径部が膨隆し,CTにてヘルニア囊内にS状結腸と内視鏡が嵌頓していた.整復を試みるも疼痛が強く,腸管損傷の可能性もあったため全身麻酔下に整復およびヘルニア根治術を行う方針とした.腹腔鏡手術にて開始し,腹腔内操作と体外からの圧迫により嵌頓を解除したが,S状結腸の一部に漿膜損傷を認めた.術中内視鏡では明らかな粘膜壊死を認めないため,腸管切除はせず漿膜面の損傷を直視下に修復した後に前方修復術によるヘルニア根治術を行った.下部消化管内視鏡検査中のヘルニア嵌頓を経験することは極めて稀であるが,腹腔鏡および術中内視鏡を用いることで低侵襲かつ安全に治療することができたので報告する.
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肝細胞癌副腎転移に対するICG蛍光法を用いた腹腔鏡下副腎摘出術の1例
船水, 尚武; 峯田, 章; 尾崎, 貴洋 ...
日本外科系連合学会誌,
2020, Volume:
45, Issue:
3
Journal Article
Open access
症例は62歳,男性.10カ月前に肝細胞癌(T2N0M0 ...
StageⅡ)に対し当科で開腹肝左葉切除術後,経過観察中であった.その5カ月後に腹部CTで右副腎腫瘍を指摘された.再度行われた3カ月後のCTで増大傾向を示し,当院泌尿器科で精査が行われた.肝細胞癌副腎転移が疑われ,当科で切除する方針となった.前回の手術による癒着が想定されたため,ICGによる腫瘍蛍光染色法を用いて腫瘍の位置を同定し,腹腔鏡下に摘出した.病理組織学的にはHepatocyteが陽性で形態学的にも前回の摘出標本と矛盾しないことから肝細胞癌副腎転移と診断した.今回われわれは肝細胞癌副腎転移に対する腹腔鏡下副腎摘出術を施行にあたり,肝細胞癌のICG蛍光を利用した1例を経験した.ICG蛍光法は転移性病変の同定を容易にし,また切除範囲の決定にも有用と思われた.
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Huntingtonʼs disease患者に発症した急性胆囊炎に対する治療経験
船水, 尚武; 峯田, 章; 尾崎, 貴洋 ...
日本外科系連合学会誌,
2020, Volume:
45, Issue:
4
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症例はHuntingtonʼs disease(HD)を併存する介護老人保健施設入所中の79歳,男性.3日間続く発熱に黄疸も伴ってきたため近医を受診したところ,胆囊炎が疑われ治療目的に当科へ紹介となった.腹部CTで腫大した胆囊と肥厚した胆囊壁を認め,急性胆囊炎(Grade ...
Ⅱ)と診断した.黄疸,およびHDの進行に伴う認知症もみられ,経皮経肝的胆囊ドレナージ(PTGBD)を選択した.不随意運動と認知症により体動・呼吸の静止ができず穿刺時に難渋したが施行可能であった.PTGBDと抗菌薬で炎症反応,黄疸ともに改善した.外瘻チューブをクランプし,留置したまま退院となった.その後経過は良好であったが,HDに伴う不随意運動によりドレナージチューブの固定性が保たれないため手術を行う方針とした.腹腔鏡下胆囊摘出術を施行し,術後5日目に合併症なく退院となった.日常診療において頻度が少ないとはいえHD患者が消化器疾患を併発し,消化器外科医が診療にあたることはありうる.HDは不随意運動を伴うものの通常の麻酔管理が可能で,かつ周術期管理においても不随意運動によるチューブ類の事故抜去のリスクがある程度あった.従って,急性胆囊炎発症に際しては,Tokyo Guideline 18に準拠して早期に手術をするべきであったと思われた.
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急性膵炎を発症した若年性膵NETの1例
船水, 尚武; 峯田, 章; 尾崎, 貴洋 ...
日本外科系連合学会誌,
2020, Volume:
45, Issue:
3
Journal Article
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症例は16歳の男性.修学旅行中に上腹部痛を認め,搬送先の病院で急性膵炎と診断され入院となった.その際に腹部CTで膵頭部に8cm大の腫瘤を認め,膵炎治療後に精査加療目的で地元の病院へ紹介となった.超音波内視鏡下穿刺吸引法で膵神経内分泌腫瘍G1と診断された.手術を勧められたところ,ロボット手術を希望され,当科へ紹介となった.ロボット支援下膵頭十二指腸切除術を施行し,合併症なく術後25日目に退院となった.病理組織学的には非機能性膵神経内分泌腫瘍G2であった.膵神経内分泌腫瘍は比較的高齢者に多く,10代発症は稀である.今回われわれは急性膵炎を発症した若年性膵神経内分泌腫瘍に対し,根治性・整容性を兼ね備えたロボット支援下膵頭十二指腸切除術を施行した1例を経験したので報告する.
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