1.
口腔外科領域における各種チタン製プレートの物性について
宮崎, 隆; 藤森, 伸也; 藤島, 昭宏 ...
昭和歯学会雑誌,
1994, Volume:
14, Issue:
4
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近年, 口腔外科領域で従来からのステンレス鋼製の顎骨再建プレートに代わり, チタン製プレートが導入されてきたが, 物性についてはいまだ不明の点が多い.そこで市販および試作の顎骨再建用プレート, および固定用プレート, さらに固定用ネジを用いて, XMAによる元素分析, 表面と断面のSEM観察, 金属組織の観察, 硬さ測定, および引張試験を行い, 物性の検討を行った.また, ...
臨床破折プレートについてもSEM観察を行った.チタン製プレートとネジには, チタン合金製と純チタン製があり, プレートとネジの組み合わせは各メーカーで異なっていた.表面のミクロの形状は, 製造工程の影響で比較的平滑な面と粗造な面が認められた.また, 結晶粒径も製品により異なっていた.チタン合金製のスクリューやネジの硬さは, 純チタン製のものよりもはるかに大きかった.また, 引張試験の結果, 純チタン製のスクリューは, 従来のステンレス鋼製スクリューよりも耐力が大きいが引張強さが小さいことが認められた。臨床使用中に破折したスクリュー破折面のSEM観察では, 脆性破壊の様相を示していた.従ってチタンの特性を考えたプレート設計が重要であり, チタン製スクリューの特性をよく理解して, ベンディングやネジ止めなどの操作を行うことが必要であると考えられる
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2.
顎骨固定用チタン製ミニプレートおよびスクリューの表面性状と機械的性質
宮崎, 隆; 藤森, 伸也; 藤島, 昭宏 ...
歯科材料・器械,
1996, Volume:
15, Issue:
4
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顎骨固定用として通称チタン製ならびにステンレス鋼製の市販ミニプレートおよび, 付随の固定用スクリューを用いて, 表面性状ならびに機械的性質について検討した. チタン製プレートの表面は, ステンレス鋼製プレートに比べて多くの研磨傷や微小凹凸が観察され, 特にスクリューホール部では, 研磨状態が十分でないことが認められた. 黄金色を呈するプレートには, 陽極酸化による表面処理が施されていた. ...
プレートの硬さは, すべてのプレート間で大きく異なり, さらに内部の硬さに比べて表面の硬さが大きく増加していた. すべてのプレートは引張試験で十分に塑性変形後, 延性的に破断した. チタン製プレートの引張強さはステンレス鋼製プレートよりも劣っていた. 臨床的に破折したチタン製プレートの破断面をSEM観察した結果, 引張試験後の破断面と異なる像が観察され, 生体内でプレートが脆性的に破断を生じた可能性が示唆された. 従ってプレートの生体内での耐久性を向上するために, 今後材料の強化, 設計の強化, 表面処理などが必要であると考えられた.
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3.
プラズマ放電焼結法を用いたチタン製ハイブリッドミニプレートの試作
宮崎, 隆; 李, 元植; 藤島, 昭宏 ...
歯科材料・器械,
1996, Volume:
15, Issue:
4
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顎顔面領域における骨片固定, 再建のために用いられているチタン製プレートの物性の向上を目指して, 市販チタン材と焼結チタン部をプラズマ放電焼結法で接合させ, 同一プレート内に性質の異なる2種類のチタン部分を交互に配置した複合構造を有するチタン製のハイブリッドミニプレートを試作した. ハイブリッドプレートの焼結体部の硬さは, チタン材部の硬さよりもはるかに大きかった.引張試験の結果, ...
ハイブリッドプレートは従来のプレートの弱点だったスクリューホール部が強化されていることが判明した. しかし, ハイブリッドプレートの引張強さはコントロールのチタン板よりも若干小さく, 焼結部とチタン材部の界面で破断していたので, 今後接合部を強化する必要性が示唆された.
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4.
頬部に発生した多形性腺腫の2例
中山, 佐和子; 吉田, 広; 舘野, 孝行 ...
昭和歯学会雑誌,
1988, Volume:
8, Issue:
4
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多形性腺腫は大小唾液腺に発生する唾液腺腫瘍であり, 小唾液腺では口蓋に多発し, 頬部に発生することは比較的少ないとされている.今回, われわれは頬部に発生した多形性腺腫を2例経験したので報告した.症例1は30歳, 男性, 左上小臼歯相当部頬粘膜部, 症例2は62歳, 女性, 耳下腺開口部上方頬部にいずれも境界明瞭, 弾性硬, 可動性で無痛性の腫瘤がみられた.腫瘤を局所麻酔下で摘出し, ...
病理組織学的に検索したところ, 良性多形性腺腫と診断された.症例1は術後5年目, 症例2は術後6年目の現在, 再発なく順調に経過している
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5.
市販チタン製ミニプレートの理工学的特性
舘野孝行; 秋月弘道; 山本麗子 ...
昭和歯学会雑誌,
12/1996, Volume:
16, Issue:
4
Journal Article
チタン製プレートは, 口腔外科領域において腫瘍切除後の顎骨再建や顎骨骨折時の固定に頻繁に用いられている. しかし, 生体内に適応されたプレートが, 咬合力などの応力により破折することがある. このようなチタン製プレートの破折を防止するためには, プレートの機械的性質を明らかにし破折の原因を解明する必要性があると思い検討を行った. ...
今回の実験には下顎骨再建用プレートよりも形状が小型で骨折固定に用いられる5種類の通称チタン製ミニプレートを用いた. それぞれのプレートとスクリューの表層および内部に対し電子線マイクロアナライザーを用い成分分析を行った. プレート表面とプレートスクリューボール部の斜面の表面性状の観察には走査型電子顕微鏡を用いた. プレート表層および内部, スクリュー内部の硬度の測定には微小高度計を用いた. プレートの最大荷重および引張強さの測定にはインストロン万能試験機を用いた. 成分分析の結果, プレートは全て純チタン製であった. スクリューは純チタン製のものとチタン合金製のものがあった. 表面性状の観察では, プレートにより研磨に差がみられた. プレート表層の硬さは内部の硬さよりいずれも大きかった. 引っ張り試験において, 全ての破断はスクリューボール部で生じ, 最大荷重はプレートにより異なっていた. 今後これらのデータを元にプレートの幅や厚みなどを, 臨床上耐えられるようなものに改良し, ベンディングやネジ止めの操作を行う際, 傷を作らないように注意して行う必要があることが示唆された.
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6.
ロ腔外科領域感染症に対するBRL 28500 (Clavulanic acid-Ticarcillin) の使用経験
吉田, 広; 斎藤, 健一; 舘野, 孝行 ...
CHEMOTHERAPY,
1986, Volume:
34, Issue:
Supplement4
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Ticarcillin (TIPC) とClavulanic acid (CVA) を15:1 (力価比) の割合で配合した注射用抗生物質製剤であるBRL 28500をロ腔外科領域感染症10例の治療に使用し, 臨床効果について検討した。その結果, 臨床症状の採点法を用いた客観的点数判定では著効1例 (10%), 有効8例 (80%), 無効1例 (10%), 有効率90%, ...
主治医による総合判定では著効1例 (10%), 有効6例 (60%), やや有効2例 (20%), 無効1例 (10%) 有効率70%であった。細菌学的効果についてはTIPC感受性菌に対してはTIPCとほぼ同等の抗菌力を示したが, TIPCに感受性の低いS. epidermidisに対してはTIPCよりも優れた抗菌力であった。副作用の発現は1例もなかった。臨床検査値の異常は3例に白血球の軽度減少がみられたが, このうち2例は3日後の再検査で正常値へ復していた。
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7.
顎口腔領域悪性腫瘍の臨床統計的観察
長谷川, 昌宏; 大野, 康亮; 長谷川, 幸司 ...
昭和歯学会雑誌,
1985/09/30, Volume:
5, Issue:
2
Journal Article
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われわれは顎口腔領域悪性腫瘍自験例の資料を整理, 検討し, 今後の治療における有益な指針を得, さらに治療成績の向上を図ることを目的として, 1977年6月より1983年6月までに昭和大学歯科病院第一口腔外科を受診した顎口腔領域悪性腫瘍患者40例について臨床統計的観察を行った.その結果, 性別では男性24例, 女性16例で男女比1.5 : ...
1であった.年齢別では19歳より95歳にわたり平均年齢61.3歳で, 40歳以上の高齢者が全体の8割を占めていた.発生部位別頻度では, 上顎27.5%, 下顎22.5%, 口底17.5%, 舌15.0%などの順でみられた.症状自覚から初診までの期間は3カ月以内が52.5%と過半数を占めていた.初発症状は腫脹42。5%, 疹痛22.5%, 出血および潰瘍各12.5%などの順であった.組織型別頻度では癌腫85.0% (うち扁平上皮癌79.4%, 腺系癌20.6%), 肉腫2.5%, 悪性黒色腫2.5%の順であった.1次症例23例のTNM分類をみるとT分類ではT1 8.7%, T2 47.8%, T3 8.7%, T4 34.8%, N分類ではN0 30.4%, N1 69.6%, M分類では全例M0であった.Stage分類では, Stage III 43.5%, StageIV34.8%, Stage II 17.4%, Stage I 4.3%の順であった.治療法では, 手術を中心とし放射線療法, 化学療法などを併用した合併療法を行った症例は79.3%, 非手術症例20。7%であり, 前者がわれわれの治療法の主体であった.治療成績は現在までのところ3年累積生存率82。1%であった.
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8.
顎口腔領域悪性腫瘍の臨床統計的観察
長谷川昌宏; 大野康亮; 長谷川幸司 ...
昭和歯学会雑誌,
1985, Volume:
5, Issue:
2
Journal Article
われわれは顎口腔領域悪性腫瘍自験例の資料を整理, 検討し, 今後の治療における有益な指針を得, さらに治療成績の向上を図ることを目的として, 1977年6月より1983年6月までに昭和大学歯科病院第一口腔外科を受診した顎口腔領域悪性腫瘍患者40例について臨床統計的観察を行った. その結果, 性別では男性24例, 女性16例で男女比1.5:1であった. ...
年齢別では19歳より95歳にわたり平均年齢61.3歳で, 40歳以上の高齢者が全体の8割を占めていた. 発生部位別頻度では, 上顎27.5%, 下顎22.5%, 口底17.5%, 舌15.0%などの順でみられた. 症状自覚から初診までの期間は3ヵ月以内が52.5%と過半数を占めていた. 初発症状は腫脹42.5%, 疼痛22.5%, 出血および潰瘍各12.5%などの順であった. 組織型別頻度では癌腫85.0%(うち扁平上皮癌79.4%, 腺系癌20.6%), 肉腫2.5%, 悪性黒色腫2.5%の順であった.
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9.
顎口腔領域悪性腫瘍の臨床統計的観察
長谷川昌宏; 大野康亮; 長谷川幸司 ...
昭和歯学会雑誌,
1983, Volume:
3, Issue:
1
Journal Article
昭和52年6月に昭和大学歯科病院が開設されて以来, 当科では顎口腔領域悪性腫瘍の診療を行ってきた. 今回, 当科開設以来6年間の症例を対象として, 今後の顎口腔領域悪性腫瘍診療の指針を得, さらに治療成績の向上をはかる一助として臨床統計的観察を行ったので報告する. 対象症例は, 昭和52年6月から58年6月までの6年間に本学第1口腔外科を受診した40例で, このうち一次症例は30例, ...
二次症例は10例である. 一次症例の初診時年齢では男性は70歳代, 女性は80歳代に多くみられ, 男女比は1.5対1であった. 発生部位別頻度では, 上下顎歯肉が15例と最も多くみられた. 症状自覚から初診までの期間は, 一次症例では, 6ヵ月以内の受診症例は23例であった. 初発症状に関して, 一次症例では, 腫脹が14例と最も多く, ついで疼痛6例, 出血などの順でみられた. 組織型別頻度では, 一次症例の30例中癌腫29例, 肉腫1例であった. TNM分類では, T_2 (11例)とT_4 (8例)が多く, N分類ではN_0 7例, N_1 16例で, M分類では全例M_0 でした. 病期分類では, Stage III(10例), Stage IV(8例)の進展例が多くみられた. 治療法別では手術, 放射線を主体とする併用療法が多く行われ, 療法別治療成績では, 手術例のほうが非手術例に比べ比較的予後が良い傾向がみられた. 治療後3年以上の観察期間を経過した一次症例12例中, 追跡可能例11例, 生存5例, 腫瘍死2例, ほか病死4例でした. 今回の集計で, 予後判定をし得た11例の治療成績をみると, 3年累積生存率59.4%の成績が得られた.
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10.
CLINICAL EVALUATION OF BRL 28500 IN ORAL AND MAXILLOFACIAL INFECTIONS
YOSHIDA, HIROSHI; SAITOH, KEN-ICHI; TATENO, TAKAYUKI ...
CHEMOTHERAPY,
1986, Volume:
34, Issue:
Supplement4
Journal Article
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BRL 28500, ticarcillin (TIPC) combined with clavulanic acid (CVA), was administered to 10 patients with oral and maxillofacial infections, and following results were obtained. 1) BRL 28500 exhibited ...
clinically favorable effects in both an objective numerical rating of clinical symptomes (excellent 10%, good 80%, and poor 10%) and an attending doctor's evaluation (excellent 10%, good 60%, fair 20% and poor 10%). 2) MICs of BRL 28500 against 16 clinically isolated straines were similar to those of TIPC, and obviously superior to those of TIPC against S. epidermidis. 3) No adverse effects were observed in 10 cases. Slight decrease of leukocyte were revealed in 3 cases.
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