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  • 長期低酸素環境下におけるマウスモデルを用いた造血機構の検討
    岡村, 浩人; 平林, 幸生; 原田, 智紀; 古作, 和寛; 壷井, 功; 相澤, 信

    日大医学雑誌, 10/2013, Volume: 72, Issue: 5
    Journal Article

    低酸素環境下において生体は赤血球を増加する,血管を新生するなどの反応により酸素利用の効率化を行い生命の維持を行っている.低酸素環境下における造血状態の検討を目的に,マウスを 10%濃度の低酸素環境下に飼育し,経時的に末梢血球数の変動, 造血組織である骨髄,脾臓における各血球系の造血前駆細胞数の変動について検討を行った.低酸素環境下では赤血球数は低酸素曝露直後より急激な増加を認め,多血状態が持続することが観察され,反応性に増加した EPO 値の上昇に伴い造血組織,主に脾臓での赤血球造血の亢進を認めた.一方,顆粒球・マクロファージ系,B 細胞系,肥満細胞系造血は有意な変動は認めず,赤血球系以外の造血系は安定して維持されていた.た だし骨髄中の造血支持細胞コロニー形成細胞 (CFU-F) 数は低酸素曝露 2 日目には低下し,その後は逆に 2 週間以上増加と有意の変動を認め,造血環境は低酸素の影響を感知し,血球産生の制御を行っている可能性が示唆された.