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  • アルコール性肝硬変患者に発症した下腿コンパートメント症...
    渡邉, 航之助; 宮本, 俊之; 千葉, 恒; 宮本, 力; 米倉, 暁彦; 進藤, 裕幸

    整形外科と災害外科, 2010, Volume: 59, Issue: 4
    Journal Article

    【はじめに】アルコール性肝硬変患者に生じた下腿血腫がコンパートメント症候群に発展し,死亡した1例を経験したので報告する.【症例】65歳男性,40歳代からアルコール依存症となるも放置.ある日,5分程散歩後,徐々に右下肢痛出現.3日後に歩行困難となり救急車で近医受診した.下腿血腫の診断で保存的治療を受けたが,症状改善無く治療目的で当院転院となった.来院時,右下腿に腫脹と疼痛が強く,下腿内圧は50mmHg以上で下腿コンパートメント症候群と診断した.血管造影では出血源は明らかでなかった.肝不全に伴う凝固異常があり減張切開施行せず,経過観察としたが,4週間後,肝不全およびその合併症で死亡した.【考察】肝不全に伴う凝固能異常のため,血腫形成しコンパートメント症候群をきたした症例には,死亡に至った報告が散見される,本症例のような場合には,積極的な外科治療は慎重に検討する必要がある.