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  • 顎口腔領域悪性腫瘍の臨床統計的観察
    長谷川, 昌宏; 大野, 康亮; 長谷川, 幸司; 舘野, 孝行; 塚本, 桂子; 大澤, 毅晃; 斎藤, 健一; 鈴木, 規子; 吉田, 広; 道, 健一

    昭和歯学会雑誌, 1985/09/30, Volume: 5, Issue: 2
    Journal Article

    われわれは顎口腔領域悪性腫瘍自験例の資料を整理, 検討し, 今後の治療における有益な指針を得, さらに治療成績の向上を図ることを目的として, 1977年6月より1983年6月までに昭和大学歯科病院第一口腔外科を受診した顎口腔領域悪性腫瘍患者40例について臨床統計的観察を行った.その結果, 性別では男性24例, 女性16例で男女比1.5 : 1であった.年齢別では19歳より95歳にわたり平均年齢61.3歳で, 40歳以上の高齢者が全体の8割を占めていた.発生部位別頻度では, 上顎27.5%, 下顎22.5%, 口底17.5%, 舌15.0%などの順でみられた.症状自覚から初診までの期間は3カ月以内が52.5%と過半数を占めていた.初発症状は腫脹42。5%, 疹痛22.5%, 出血および潰瘍各12.5%などの順であった.組織型別頻度では癌腫85.0% (うち扁平上皮癌79.4%, 腺系癌20.6%), 肉腫2.5%, 悪性黒色腫2.5%の順であった.1次症例23例のTNM分類をみるとT分類ではT1 8.7%, T2 47.8%, T3 8.7%, T4 34.8%, N分類ではN0 30.4%, N1 69.6%, M分類では全例M0であった.Stage分類では, Stage III 43.5%, StageIV34.8%, Stage II 17.4%, Stage I 4.3%の順であった.治療法では, 手術を中心とし放射線療法, 化学療法などを併用した合併療法を行った症例は79.3%, 非手術症例20。7%であり, 前者がわれわれの治療法の主体であった.治療成績は現在までのところ3年累積生存率82。1%であった.