1.
胆管内ポリープの形態を呈した胆管原発「真の癌肉腫」の1例
八木, 健太; 松井, 聡; 大畠, 慶映 ...
日本消化器外科学会雑誌,
2022/05/01, Letnik:
55, Številka:
5
Journal Article
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症例は81歳の女性で,心窩部痛を主訴に当院救急外来を受診した.血液検査で肝胆道系酵素の上昇を認め,CTで総胆管結石もしくは胆管腫瘍による閉塞性黄疸を伴う胆管炎と診断され緊急入院となった.ERCPで総肝管から総胆管にかけて透亮像を認め,腫瘍も否定できない所見ではあったが,炎症極期であることを考慮し生検はせず,胆管ステントの留置にとどめた.後日症状軽快した段階で,再度ERCP下に生検を施行し,高分化から中分化管状腺癌の病理診断となった.胆管癌に対して肝外胆管切除,胆道再建,リンパ節廓清を施行した.病理検査で「真の癌肉腫」と診断された.術後補助化学療法は行わずに経過観察していたが,術後117日目のCTで多発肝転移を疑う所見を認め,S-1開始としたが術後223日目に永眠した.今回,特徴的な形態を呈する胆管原発の「真の癌肉腫」を経験したため報告する.
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2.
術後15カ月無再発生存している回腸間膜原発Ewing肉腫/pPNETの1例
八木, 健太; 真船, 太一; 徳村, 和彦 ...
日本臨床外科学会雑誌,
2021, Letnik:
82, Številka:
4
Journal Article
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症例は18歳,男性.心窩部から右下腹部にかけての疼痛を主訴に受診.腹部造影CTにて,右下腹部から骨盤腔にかけて上腸間膜動脈から血流を得る150×70mm大の巨大な腫瘤を認め,精査目的に入院となった.血管分布から回盲部の腸管や腸間膜由来の腫瘍などを疑い,診断的治療目的に手術を施行した.開腹すると中等量の血性腹水を認めた.腫瘍は腹膜,膀胱,30cm程度の回腸にそれぞれ強固に癒着しており,回腸を合併切除する形で腫瘍を摘出した.術後経過は良好であり,術後8日目に退院した.病理組織検査にて,腫瘍は回腸間膜由来のEwing's sarcoma/peripheral primitive neuroectodermal tumor(以下ES/pPNET)と診断された.腫瘍自体は切除できたが術中腹水細胞診で腫瘍細胞を認め,腹腔内微小転移の可能性を考慮し高次医療機関へ紹介,補助化学療法が施行された.術後15カ月経過した現在,肉眼的再発なく経過している.腸間膜原発のES/pPNETは非常に稀な疾患であるため報告する.
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3.
人工肺圧上昇を伴わない酸素加不良により人工肺交換に至った一例
最明裕介; 八木健太; 奥山浩幸 ...
体外循環技術,
12/2020, Letnik:
47, Številka:
4
Journal Article
「要旨」人工肺圧上昇を伴わない酸素加不良による人工肺交換に至った症例を経験した. 患者は40歳代後半男性, 体表面積(body surface area:BSA)2.05m2, 術式は上行弓部大動脈置換術+オープンステントグラフトであった. 体外循環開始5時間20分後に人工肺に酸素加不良を認め, 酸素フラッシュを行い改善した. 15分後再び酸素加不良を認め, ...
再度酸素フラッシュ行うも改善せず人工肺交換に至った. 人工肺交換後は酸素加問題なく体外循環終了となった. 酸素加不良はプラズマリークと結露が絡み合って起きており, 両方の対策が必須である. プラズマリークに関しては膜の材料を考慮し選択する必要があり, 結露に関してはガス層圧のモニタリングにて察知でき, 適切な酸素フラッシュにより排出できる可能性も報告されている. 更に酸素加不良は患者の体格, 血流量の増減に関連していた. 不可逆性の酸素加不良で人工肺交換を行う場合でも人工肺バイパスラインやemergency kitを準備し, 十分なシミュレーションを行うことで安全に対応することができた. 本症例の酸素加不良の原因は特定できなかったが原因になりえる要因や対策を考察し報告した.
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4.
人工心肺中の血液浄化による血糖上昇抑制効果について
奥山浩幸; 玉岡弘充; 八木健太 ...
体外循環技術,
03/2018, Letnik:
45, Številka:
1
Journal Article
「要旨」我々は人工心肺 (cardiopulmonary bypass : CPB) 中に血液透析濾過 (hemodiafiltration : HDF) を併用し, 血糖値を安定させることができた. 今回HDF併用時, 非HDF時の電解質と血糖変化に関して後ろ向きに調査した. 当院で実施した2017年4月までの180分以内の25例を抽出し, HDFを施行しなかった19例をN群, ...
HDFを施行した6例をA群とした. CPB中の血糖の最大値はN群 : 469±65mg/dL, A群 : 374±54mg/dL (P<0.01) でありA群で有意に低く, 投与したインスリン量はN群 : 0.21±0.14mL, A群 : 0.05±0.05mL (P<0.01) であり, A群で有意に少なかった. Na値はCPB開始30分後N群 : 123.3±3.3mEq/L, A群 : 127.9±1.4mEq/L (P<0.01), 90分後N群 : 128.5±3.2mEq/L, A群 : 132.4±2.4mEq/L (P<0.05) であり, A群で有意に高かった. 透析装置を用いた高流量のHDFを行うことでNaを安定させることができ, 血糖値上昇を抑制することが示唆された.
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5.
高用量メチルコバラミンの筋萎縮性側索硬化症に対する第III相試験の被験者及び家族におけるアンケート調査
坂口, 暁; 佐藤, 康敬; 石田, 光代 ...
日本臨床薬理学会学術総会抄録集,
2022
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【目的】近年臨床研究を行うにあたり、研究者から適切な研究に資する意見を患者・市民らに求め、参画した患者・市民らの意見を取り入れることで、医学研究・臨床試験の現場をよりよいものとすること等を目的とした『患者・市民参画(以下、PPI, Patient and Public Involvement)』が求められている。高用量メチルコバラミンの筋萎縮性側索硬化症(以下、ALS,Amyotrophic ...
Lateral Sclerosis)に対する第III相試験(以下、JETALS, Japan early-stage trial of high dose methylcobalamin for ALS)は、徳島大学病院脳神経内科が中心となって行った多施設共同医師主導治験である。本治験では早期ALS患者に対する高用量メチルコバラミンの有効性が確認され、治験薬の実用化及び関連した臨床研究においてPPIの概念をベースとした運用を目指している。今回JETALSの付随研究として、PPIの実施に向けたアンケート調査を実施した。【方法】JETALSに参加した25施設のうち、アンケート調査参加に同意が得られた20施設において治験に参加した患者及びその家族167人を対象に、治験結果公表後にアンケートを送付した。【結果・考察】2022年7月13日時点で、19施設54人から回答を得た。回答者の35.2%は患者らの回答であった。PPIの認知度は7人(13.0%)であった。PPIへ参加した経験のある方は1人のみであった。PPIへの参加の呼びかけがあった場合は26人(48.1%)が参加すると回答した。PPIに参画しやすくなる要素として、62.7%がオンライン参加可能であることを挙げた一方、謝礼金は7.4%であった。治験・臨床試験についての情報収集は医師(70.6%)、インターネット(54.9%)、新聞・雑誌(15.7%)から行っていた(回答者51人)。本邦においてPPIについての認知度は未だ十分ではないものの、JETALSに参加された患者又はその家族からの参加の意思はある。参加に際しては、オンライン参加を活用することが求められており、医師・インターネットを介した情報提供が効果的である。【結論】JETALSの患者及びそのご家族を対象としたPPIに係るアンケートを実施した。結果・考察に述べた以外のアンケート項目の解析結果を加えて報告する。
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6.
ホスホジエステラーゼ5阻害剤に関連した致死的な血管毒性
宮田, 晃志; 石澤, 有紀; 濱野, 裕章 ...
日本臨床薬理学会学術総会抄録集,
2022
Journal Article
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【目的】大動脈をはじめとした各種動脈における瘤・解離疾患は、死亡率の高い血管疾患の一つである。動脈瘤・解離の危険因子として高齢者、男性、喫煙、高血圧、動脈硬化、結合組織病などが知られているが、加えて、フルオロキノロン系抗菌薬や血管新生阻害剤などを用いた薬物治療の有害事象として、動脈瘤・解離のリスクが高まる可能性が示唆されている。近年、勃起障害などに使用されるcGMP特異的ホスホジエステラーゼ ...
(PDE5) 阻害剤使用後に動脈瘤・解離を発症した患者の症例が複数報告されている。動脈瘤モデルマウスを用いた動物実験においても大動脈瘤を悪化させるという結果が得られており、PDE5阻害剤は動脈瘤・解離に関与する可能性が示唆される。本研究では、世界保健機関 (WHO) のグローバルファーマコビジランスデータベースであるVigiBaseを用いたファーマコビジランス手法により、PDE5阻害剤のヒトに対する動脈瘤・解離リスクを明らかにすることを目的として研究を行った。【方法】WHOの個別症例安全性報告データベースであるVigiBaseを使用し2021年12月までのデータを不均衡分析により解析した。PDE5阻害剤としてシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ウデナフィル、アバナフィルに関して解析した。副作用発現の有無や薬剤使用の有無から報告オッズ比 (ROR) を算出し、RORの95%信頼区間の下限値が1を超えるものを、副作用シグナルが検出された、とみた。【結果・考察】VigiBaseにある27,994,584件の報告のうち249件でPDE5阻害剤使用との関連が疑われる動脈瘤・解離が報告されていた。不均衡分析の結果ではPDE5阻害剤投与例において副作用シグナルが検出され、個別の薬剤としてはシルデナフィル、タダラフィルでシグナルを認めた。またPDE5阻害剤使用症例に関して、適応症ごと、または瘤・解離病変が形成された各動脈の部位ごとに実施した不均衡分析においても、それぞれシグナルが検出された。年齢・性別で層別化した解析でも同様にシグナルが検出された。これらの結果はPDE5阻害剤の使用と動脈瘤・解離の関連を示しており、PDE5阻害剤の使用が動脈瘤・解離発症のリスクを上昇させる可能性を示している。【結論】本研究によりPDE5阻害剤は動脈瘤・解離のリスクを高める可能性があり、PDE5阻害剤の使用と動脈瘤・解離発症の因果関係を証明するために、母集団解析を含むさらなる研究が必要であることが示された。
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7.
がん薬物療法に伴う腎障害とその予防
合田, 光寛; 神田, 将哉; 吉岡, 俊彦 ...
日本臨床薬理学会学術総会抄録集,
2022
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がん薬物治療の進歩により、がん患者の予後が改善し、がん化学療法や分子標的薬治療を受ける患者数が増加している。一方で、がん化学療法施行時には、悪心・嘔吐、腎障害、心機能障害、末梢神経障害などの多岐にわたる有害事象が高頻度に起こる。中でも、抗がん剤誘発急性腎障害はがん治療の遂行を妨げ、がん患者のQOLを低下させる。近年、がんと腎臓病の連関が重要視されるようになり、腫瘍学-腎臓病学を融合した「Onco-nephrology」という新領域が注目されている。腎機能が低下した患者では、腎排泄型抗がん剤の投与制限が必要となることに加えて、腎機能低下自体が抗がん薬による急性腎障害 (acute kidney injury; AKI) 発症のリスク因子となる。さらに、AKI発症の既往は将来的な慢性腎臓病 (chronic kidney disease; CKD) 発症のリスク因子となることから、抗がん剤による薬剤性腎障害のコントロールは、患者のQOL向上、治療継続、予後改善のための重要な課題であると言える。現在、臨床では日本腎臓学会等により発表された「がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2016」などのガイドラインに従って適切な治療が行われているにも関わらず、約30%の患者で腎障害が発生していると言われている。現状の予防法では、完全に抗がん剤誘発腎障害を抑えることはできないため、新たな予防法や予防薬の開発が求められている。近年、レセプトデータベースや有害事象自発報告データベースなどの医療ビッグデータを用いた研究が注目されている。臨床における多様な患者層・様々な因子を内包する医療ビッグデータを用いた網羅的な解析により、様々な薬剤性副作用に対する併用医薬品の実臨床での影響を解析することができる。しかし、医療ビッグデータ解析の結果だけでは因果関係を明確に示すことは難しい。そこで我々は基礎研究や後方視的観察研究を用いて、医療ビッグデータ解析で見出した結果を検証することによって、より確からしい結果を選別し、臨床応用可能性の高い予防法の開発に繋げることを目指した。本シンポジウムでは、がん薬物治療に伴う急性腎障害について概説するとともに、大規模医療情報データベースや遺伝子発現データベースを用いたビッグデータ解析、基礎研究、後方視的観察研究を融合した新しい研究手法を用いた抗がん剤誘発腎障害に対する新規予防法の開発研究によって得られた成果を紹介する。
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8.
医療ビッグデータ解析と基礎研究を融合した研究手法によるハイブリッド創薬
合田, 光寛; 相澤, 風花; 八木, 健太 ...
日本臨床薬理学会学術総会抄録集,
2022
Journal Article
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がんの罹患数は世界的に増加しているが、がん治療の進歩はめざましく、化学療法と免疫療法の併用療法などの複合的な治療法が次々に開発され、がん患者の予後は著明に改善しており、全がんの年齢調整死亡率は減少している。その結果、がんサバイバーの増加が報告されており、今後もがん化学療法を受ける患者数が増加し続けることが予想される。一方で、がん化学療法施行時には、悪心・嘔吐、腎障害、心機能障害、末梢神経障害などの多岐にわたる有害事象が高頻度に起こるが、臨床で行われている副作用対策では防ぎきれていないのが現状である。抗がん剤誘発有害事象は患者のQOL低下、さらには治療継続困難や予後不良につながる重大な影響を与えるため、抗がん剤誘発有害事象の予防法の開発は臨床上解決すべき重要な課題となっている。近年、我が国においても、有害事象自発報告データベースやレセプトデータベースなどの医療ビッグデータを用いた研究が展開されている。臨床における多様な患者層・様々な因子を内包する医療ビッグデータを用いた解析により、様々な副作用に対して実臨床で効果があると推測される予防薬候補を見出すことが可能になる。しかし、実臨床で収集された医療ビッグデータには欠損値や報告バイアスなどがある点や、医療ビッグデータ解析の結果だけでは因果関係や作用機序を明確に示すことは難しい点に注意が必要である。そこで、我々は医療ビッグデータ解析と遺伝子発現データベース解析を組み合わせて、より確からしい結果を選別し、ビッグデータ解析で抽出された予防薬候補の有効性を基礎薬理学的手法によって検証することにより、臨床応用可能性の高い予防薬の開発に繋げることを目指した。本シンポジウムでは、医療ビッグデータ解析と基礎研究を融合した新しい研究手法を用いた抗がん剤誘発副作用に対する新規予防薬の開発研究によって得られた成果を紹介する。
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9.
植込型補助人工心臓Jarvik2000装着患者の深夜緊急入院の対応
井口亮介; 小岸拓哉; 奥野渉 ...
体外循環技術,
12/2016, Letnik:
43, Številka:
4
Journal Article
「要旨」 当院では補助人工心臓(ventricular assist system: VAS)の使用経験は体外式のみであり, 植込型はない. その中で, 植込型VAS(Jarvik2000)装着患者が, 脳出血を合併し, 深夜に緊急入院となった症例を経験した. 当院では近隣のVAS装着患者の情報を, 医師からコメディカルに伝えるシステムはなく, ...
患者およびVAS装置を管理する上で必要なプロトコルもない. そのため, 暫定的に記録用紙・バッテリー交換手順書を作成し, 交換方法を集中治療室(ICU)看護師に指導した. 翌日, 当該装置の詳細な情報をメーカーより入手し, プロトコルを作成した. 今後植込型VASがDestination Therapy (DT)へ適応された場合, 地方へ帰郷する患者が増加すると考える. そのような患者を地方で受け入れるには, 医師との連携を構築し, 患者の情報を得る必要があると考える. VAS使用経験が少ない当施設では, VASの技術的な知識を得ることが困難である. そのためMEが, セミナーおよび研修に参加し, 習得した知識をICU看護師, 医師に発信する必要があると考える.
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10.
ECMOカテ台固定用アームの考案
北村拡; 奥野渉; 玉岡弘充 ...
体外循環技術,
12/2016, Letnik:
43, Številka:
4
Journal Article
「要旨」 透視下にて経皮的補助循環を導入する場合, 体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)装置本体はカテーテル治療用透視台(カテ台)の複雑な移動に追従させる必要がある. この対策としてカテ台上に乗せたところ, 視認性が非常に悪く不安定であったため, ...
人工肺・遠心ポンプ専用ホルダー(人工肺ホルダー)をカテ台のサイドレールに取り付けるオリジナルアームを考案した. 基材はステンレスおよびアルミ製とし, サイドレールへの固定は上からコの字型フックで迅速簡便に取り付けられる形状とした. サイドレールに対するモーメントを算出したところ, レールと平行方向に回転して脱落する可能性が生じたため, ホルダーガードを別途作製しサイドレールに取り付けた. カテ台の動きに手動で追従させる従来の方法と比較した結果, カテ台への取り付けは非常に簡単で安定し, 動作がカテ台と一体化することでカニューレおよび回路への引張荷重を排除することができた. 人工肺ホルダーのカテ台への取り付けは重要であるが, 対応する製品が存在しなかった. 今回初めてカテ台へ取り付けることに成功し, 視認性の向上, 回路脱落のリスクの回避, 何よりも安全管理において非常に有用であった.
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