1.
大規模医療情報データベースを用いた薬剤性心毒性の予防法の開発
濱野, 裕章; 座間味, 義人; 牛尾, 聡一郎 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
03/2024, Letnik:
144, Številka:
3
Journal Article
Recenzirano
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「1. はじめに」近年, がん治療の薬物療法は著しい進歩を見せ, それに伴い患者の生命予後が改善している. しかしながら, 免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)やドキソルビシンといった抗がん剤の使用による心筋損傷や心不全などの薬剤起因の心毒性が増加し, このような副作用による死亡率が, がんによる死亡率を超えることが報告されている. ...
これらの情況を鑑みると, 薬剤性心毒性の予防及びマネジメントは, 患者の生活の質を保つとともに長期的な治療を実施するうえで, ますます重要となってきている. 現代の医学研究の主軸は, 薬剤の効果とその副作用の正確な評価であり, この目的のために, 副作用データベースなどの医療ビッグデータの活用が世界中で進められている. 筆者らの研究グループにおいても, 薬剤性心毒性への対策の確立を追求し, 大規模な医療情報を活用した研究を実施している.
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NUK, UL, UM
2.
ポドサイトNlrp3インフラマソーム活性化は糖尿病性腎臓病を促進する
合田, 光寛
ファルマシア,
2023, Letnik:
59, Številka:
7
Journal Article
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国際糖尿病連合(IDF)が発表した「IDF糖尿病アトラス」第10版によると,糖尿病の有病率は10.5%に達し,成人の10人に1人が罹患している.それに伴い,糖尿病の主要な合併症である糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease: ...
DKD)の罹患率も増加している.DKDは,糖尿病患者の約40%が罹患し,腎不全の主な原因となっているため,現在の標準的な治療法である厳格な血糖コントロールによる腎機能障害の抑制に加え,DKDを対象とした新たな治療法の開発が必要とされている. 糸球体上皮細胞であるポドサイトを含む腎常在細胞におけるNLRP3インフラマソームの活性化が,マウスのDKDを促進することが報告されている.糸球体の濾過障壁であるポドサイトの機能不全がDKD発症と関連していることは明らかになっているが,ポドサイトにおけるNLRP3インフラマソームの活性化がDKDにどのように関与しているかは不明であった.本稿では,3種類のコンディショナルノックアウトマウスを用いて,DKDの進展におけるポドサイトのNLRP3インフラマソームの重要性を明らかにしたShahzadらの論文を紹介する. なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである. 1) Shahzad K. et al., Kidney Int., 87, 74-84(2015). 2) Shahzad K. et al., Kidney Int., 102, 766-779(2022). 3) Kim Y. G. et al., Cells. 8, 1389(2019).
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UL
3.
血管周囲神経の再分布とアンジオテンシン受容体の役割
芳原, 成美; 合田, 光寛; 吉田, 菜三夏 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
2010/09/01, Letnik:
130, Številka:
9
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「1. はじめに」血管周囲神経は血管緊張を維持し, 血圧の調節・維持に重要な役割を果たしているが, その調節異常は高血圧発症の要因と考えられている. われわれはこれまでに高血圧自然発症ラット(SHR)において, 血管拡張性神経であるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)含有神経の分布量と機能が加齢に従って減少する血管周囲神経リモデリング説を提唱し, ...
高血圧の進展維持に関与している可能性を示唆している. 1)さらに, SHRにACE阻害薬(temocapril)あるいはAT1受容体拮抗薬(losartan)を長期間投与することによって, 血管拡張性神経であるCGRP含有神経分布量, 及び脊髄後根神経節におけるCGRP mRNA量が増加することを明らかにしてきた. 1,2)この神経分布量の増加は, hydralazine投与群ではみられなかったことから, 単なる血圧の低下が神経分布促進を起こすわけではなく, レニン-アンジオテンシン系が関与する可能性が考えられる.
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NUK, UL, UM
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4.
血管周囲神経リモデリングにおけるアンジオテンシン受容体の役割
芳原, 成美; 合田, 光寛; 橋川, 直也 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
2010/11/01, Letnik:
130, Številka:
11
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「1. はじめに」高血圧症の大部分を占める本態性高血圧は末梢血管抵抗の異常緊張に基づくと考えられているが, その原因はいまだ不明である, 血管はその緊張を変化させて生体の臓器機能を支える重要な要素である臓器血流量を調節している. 血管周囲神経にはノルアドレナリンを伝達物質とする血管収縮性の交感神経が主に分布し, アセチルコリンを伝達物質とする副交感神経はほとんど分布していない. しかし近年, ...
血管に非アドレナリン・非コリン性(nonadrenergic noncholinergic;NANC)神経が分布し, 血管緊張度調節に関与していることが明らかにされている.1) NANC神経には, 交感神経や副交感神経においてノルアドレナリンやアセチルコリンのco-transmitterとして共存すると考えられている物質を伝達物質とするものや, 知覚神経に含まれる遠心性機能を有すると考えられているものが含まれる. カルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide;CGRP)は主に脊髄後根神経節(dorsal root ganglia;DRG)で産生され, カプサイシン感受性の知覚神経に含まれる. CGRP含有神経は終末で遊離され, 血管平滑筋上に存在するCGRP受容体を介して強力な血管拡張作用を示し, 交感神経との相反作用による抵抗血管の緊張調節に関与していることが報告されている.
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5.
創薬・治療戦略への架け橋となる薬理研究
~病態解明による治療への薬理学的アプローチ
合田, 光寛; 山本, 由似
YAKUGAKU ZASSHI,
2011, 20110000, Letnik:
131, Številka:
4
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ここに記載されている総説は, 2010年3月28日に岡山で開催された日本薬学会第130年会での大学院生シンポジウム「創薬・治療戦略への架け橋となる薬理研究~病態解明による治療への薬理学的アプローチ~」で行った発表内容をまとめたものである. 近年, わが国では高齢化の進行に伴い, メタボリックシンドロームや精神神経疾患などの慢性疾患の増加が懸念されており, ...
疾患の治療をより効果的にする新薬の創生が必要とされている. また, 食品の安全性に対する国民の関心の高まりを契機に, 安心・安全のための医療が重要な社会問題として取りざたされている. さらに, 臨床現場における医薬品の適正使用のための薬剤師の職能の発揮にも高い期待が寄せられている. 慢性疾患に対する治療効果の向上, 副作用軽減や患者のQOLの改善などを目的とした, 創薬や新しい治療戦略の創出のためには, 基礎研究による病態解明と臨床での治療に対する薬学的アプローチがともに重要であると思われる.
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6.
腎血管性高血圧における血管周囲神経の機能変化
小山, 敏広; 畑中, 由香子; 合田, 光寛 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
2009, Letnik:
129, Številka:
2
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「1. はじめに」高血圧患者は今や国内では, 約780万人に上り, 毎年患者数は増加の一途を辿っている. また, 高血圧状態が長期的に継続することにより様々な臓器において障害が発生することが知られている. 高血圧症は, 日本人の死因の上位を占める脳梗塞, 脳出血, 虚血性心疾患の危険因子であることが疫学調査から明らかにされており, 9)生命予後に大きく影響する危険因子として考えられている. ...
現在までに, 高血圧の発症機序や慢性的な高血圧がもたらす合併症について多くの研究がなされ, カルシウム拮抗薬, アンジオテンシン変換酵素阻害薬(angiotensin converting enzyme inhibitor;ACEI)や, アンジオテンシンIIタイプ1受容体拮抗薬(angiotensin II type 1 receptor blocker;ARB)が開発され臨床応用により, 高血圧治療に大きく貢献している. しかし, いまだ高血圧の発症機序には不明な点が多く残っており, 高血圧発症, 進展における機序をさらに解明し, より効果的な高血圧治療のための研究が進められている.
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NUK, UL, UM
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7.
フルクトース負荷インスリン抵抗性モデル(ラット)におけるPropolisによるインスリン抵抗性改善作用
座間味義人a; 高取真吾b; 小山敏広a ...
YAKUGAKU ZASSHI,
2007, Letnik:
127, Številka:
12
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「緒言」Propolisは, ミツバチが隙間を埋めて外敵から巣を守るために植物の新芽や樹脂から作る物質で, 抗菌作用や抗炎症作用等の各種の生理活性作用を有している. Propolisにはフラボノイドのほか, ブラジル産に特徴的な桂皮酸誘導体(アルテピリンC, p-クマル酸など)を始め, 各種ビタミン類, ミネラルなど人の健康維持に役立つ有用成分が豊富に含まれている. 1-4) これらの成分には, ...
抗菌活性5), 抗腫瘍活性6), 抗炎症作用7), 抗酸化作用8)などの生理活性作用が見い出されている. また近年, propolisが糖負荷した正常動物及び病態モデル動物において血糖降下作用9, 10)及び血圧低下作用11, 12)を有するという報告がされている. このことはpropolisが肥満, 高血圧, 耐糖能異常を改善させる可能性を示唆する. そこで本研究では, インスリン抵抗性モデルラットであるフルクトース飲料水負荷ラット(Fructose drinking rat;FDR)を用いて, propolisを長期間経口投与し, propolisのインスリン抵抗性に及ぼす影響について検討した.
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8.
妊婦・授乳婦における医薬品のリスクマネジメント
合田, 光寛
看護薬理学カンファレンス,
2023
Journal Article
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我が国では、少子化が大きな問題となっており、出生数も年々低下している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行の影響もあり、2022 年の出生 率は 77 万 747人となり、統計を開始した1899 年以降、初めて 80 万人以下となった。 一方、このような中で、慢性疾患を抱えながら妊娠・出産を希望する女性は多く、 ...
母体の健康管理のために妊娠中や授乳期に薬剤を使用する機会も多くなる。ま た、計画的ではない妊娠の場合には、妊娠に気付くのが遅れるため、妊娠中に偶 発的に薬剤を使用する例もある。こうしたことから、実際には、妊娠中に何らか の薬剤が使用される例はかなり多い。妊娠中、授乳中の女性の薬物治療で重要な点は、「妊娠・授乳中の女性の健 康」と「胎児・乳児の健康」の双方を確保することである。催奇形性や胎児毒性 といった胎児への影響や乳児へのリスクのみを重視し、妊娠・授乳中の女性の 健康を犠牲にすることは、結果として、胎児・乳児の健康を害するリスクがある。 妊娠前から使用している薬剤のリスク・ベネフィットについて主治医と話し合い、 女性自身が使用薬について知ることが大切である。そして、看護師、助産師をは じめ女性を支える医療者が、正しい知識を持って妊婦・授乳婦に対応する必要 がある。本講演では、妊婦や授乳婦における医薬品のリスクマネジメントについて、以 下の内容に焦点を当てて情報提供する予定である。まず、妊娠・授乳と薬の基礎 知識として、薬物の胎盤通過性、乳汁移行性や催奇形性、胎児毒性のある薬物、 また妊娠中、授乳中の薬剤使用のリスクの考え方について解説する。次に、妊婦 や授乳婦への医薬品の適切な情報提供についても取り上げる。医薬品のリスク と利益のバランスを正確に伝えることは、患者の適切な意思決定を支援する上 で重要である。そのためには、医薬品のリスク情報を的確に収集する必要がある。 最後に、妊娠中、授乳中の女性への基本的な対応方法にも触れたいと考えている。妊婦や授乳婦における医薬品のリスクマネジメントは、妊娠・授乳中の女性と 胎児・乳児の安全と健康を守るために欠かせない課題である。本講演では、妊娠・ 授乳と薬の基礎知識、リスク情報の収集と活用方法、妊娠中、授乳中の女性へ の基本的な対応方法などについて、妊婦や授乳婦の安全な薬物治療をサポート するために、皆さんと情報共有したいと考えている。
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NUK, UL, UM, UPUK
9.
ホスホジエステラーゼ5阻害剤に関連した致死的な血管毒性
宮田, 晃志; 石澤, 有紀; 濱野, 裕章 ...
日本臨床薬理学会学術総会抄録集,
2022
Journal Article
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【目的】大動脈をはじめとした各種動脈における瘤・解離疾患は、死亡率の高い血管疾患の一つである。動脈瘤・解離の危険因子として高齢者、男性、喫煙、高血圧、動脈硬化、結合組織病などが知られているが、加えて、フルオロキノロン系抗菌薬や血管新生阻害剤などを用いた薬物治療の有害事象として、動脈瘤・解離のリスクが高まる可能性が示唆されている。近年、勃起障害などに使用されるcGMP特異的ホスホジエステラーゼ ...
(PDE5) 阻害剤使用後に動脈瘤・解離を発症した患者の症例が複数報告されている。動脈瘤モデルマウスを用いた動物実験においても大動脈瘤を悪化させるという結果が得られており、PDE5阻害剤は動脈瘤・解離に関与する可能性が示唆される。本研究では、世界保健機関 (WHO) のグローバルファーマコビジランスデータベースであるVigiBaseを用いたファーマコビジランス手法により、PDE5阻害剤のヒトに対する動脈瘤・解離リスクを明らかにすることを目的として研究を行った。【方法】WHOの個別症例安全性報告データベースであるVigiBaseを使用し2021年12月までのデータを不均衡分析により解析した。PDE5阻害剤としてシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ウデナフィル、アバナフィルに関して解析した。副作用発現の有無や薬剤使用の有無から報告オッズ比 (ROR) を算出し、RORの95%信頼区間の下限値が1を超えるものを、副作用シグナルが検出された、とみた。【結果・考察】VigiBaseにある27,994,584件の報告のうち249件でPDE5阻害剤使用との関連が疑われる動脈瘤・解離が報告されていた。不均衡分析の結果ではPDE5阻害剤投与例において副作用シグナルが検出され、個別の薬剤としてはシルデナフィル、タダラフィルでシグナルを認めた。またPDE5阻害剤使用症例に関して、適応症ごと、または瘤・解離病変が形成された各動脈の部位ごとに実施した不均衡分析においても、それぞれシグナルが検出された。年齢・性別で層別化した解析でも同様にシグナルが検出された。これらの結果はPDE5阻害剤の使用と動脈瘤・解離の関連を示しており、PDE5阻害剤の使用が動脈瘤・解離発症のリスクを上昇させる可能性を示している。【結論】本研究によりPDE5阻害剤は動脈瘤・解離のリスクを高める可能性があり、PDE5阻害剤の使用と動脈瘤・解離発症の因果関係を証明するために、母集団解析を含むさらなる研究が必要であることが示された。
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NUK, UL, UM
10.
がん薬物療法に伴う腎障害とその予防
合田, 光寛; 神田, 将哉; 吉岡, 俊彦 ...
日本臨床薬理学会学術総会抄録集,
2022
Journal Article
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がん薬物治療の進歩により、がん患者の予後が改善し、がん化学療法や分子標的薬治療を受ける患者数が増加している。一方で、がん化学療法施行時には、悪心・嘔吐、腎障害、心機能障害、末梢神経障害などの多岐にわたる有害事象が高頻度に起こる。中でも、抗がん剤誘発急性腎障害はがん治療の遂行を妨げ、がん患者のQOLを低下させる。近年、がんと腎臓病の連関が重要視されるようになり、腫瘍学-腎臓病学を融合した「Onco-nephrology」という新領域が注目されている。腎機能が低下した患者では、腎排泄型抗がん剤の投与制限が必要となることに加えて、腎機能低下自体が抗がん薬による急性腎障害 (acute kidney injury; AKI) 発症のリスク因子となる。さらに、AKI発症の既往は将来的な慢性腎臓病 (chronic kidney disease; CKD) 発症のリスク因子となることから、抗がん剤による薬剤性腎障害のコントロールは、患者のQOL向上、治療継続、予後改善のための重要な課題であると言える。現在、臨床では日本腎臓学会等により発表された「がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2016」などのガイドラインに従って適切な治療が行われているにも関わらず、約30%の患者で腎障害が発生していると言われている。現状の予防法では、完全に抗がん剤誘発腎障害を抑えることはできないため、新たな予防法や予防薬の開発が求められている。近年、レセプトデータベースや有害事象自発報告データベースなどの医療ビッグデータを用いた研究が注目されている。臨床における多様な患者層・様々な因子を内包する医療ビッグデータを用いた網羅的な解析により、様々な薬剤性副作用に対する併用医薬品の実臨床での影響を解析することができる。しかし、医療ビッグデータ解析の結果だけでは因果関係を明確に示すことは難しい。そこで我々は基礎研究や後方視的観察研究を用いて、医療ビッグデータ解析で見出した結果を検証することによって、より確からしい結果を選別し、臨床応用可能性の高い予防法の開発に繋げることを目指した。本シンポジウムでは、がん薬物治療に伴う急性腎障害について概説するとともに、大規模医療情報データベースや遺伝子発現データベースを用いたビッグデータ解析、基礎研究、後方視的観察研究を融合した新しい研究手法を用いた抗がん剤誘発腎障害に対する新規予防法の開発研究によって得られた成果を紹介する。
Celotno besedilo
Dostopno za:
NUK, UL, UM