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複合面構造と応力逆解析による断層の運動履歴および応力史の推定:塩ノ平断層と車断層への適用例
酒井, 亨; 亀高, 正男; 青木, 和弘 ...
地質学雑誌,
2024, Letnik:
130, Številka:
1
Journal Article
Odprti dostop
断層破砕帯には多様な姿勢の剪断面が形成されている.それらの周囲に発達した複合面構造から各剪断面の剪断センスを推定できるが,それらが同じ活動ステージ(応力)で形成されたものか否かは識別ができない.本研究ではこの課題を解決するために,複合面構造の観察と応力逆解析を組み合わせて,塩ノ平断層と車断層の運動と応力の履歴の解明を試みた.結果として,塩ノ平断層において5つ,車断層において2つの活動ステージを復元した.活動ステージの時期を特定する年代指標が少ないものの,先行研究で示された断層周辺の古応力場や造構運動と矛盾しない結果が得られた.断層スリップデータの取得領域の粗密によって一部の応力は復元できない可能性はあるが,包括的な破砕帯形成史の解明を目的とした研究において,本手法は一定の有効性が示されたと言える.
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2.
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九州前弧域におけるS波偏向異方性の推定
小川, 大輝; 平塚, 晋也; 浅森, 浩一 ...
物理探査,
2024, Letnik:
77
Journal Article
Recenzirano
高レベル放射性廃棄物の地層処分において,火山性熱水や非火山性のスラブ起源水の移動経路を地表からの調査を通じて把握することは,処分システムの閉じ込め機能喪失の回避に資する。九州地方の前弧域に位置する宮崎平野及びその周辺には長大な活断層等がほとんど分布せず地下水の顕著な湧出も知られていない。一方で,地震波速度構造や比抵抗構造から,フィリピン海スラブの脱水に起因する流体が上昇することで形成された流体賦存域の存在が地殻内において示唆される。また一部の地下水には,地下深部から上昇するスラブ起源水との関連性が報告されている。こうした九州前弧域の地殻内流体の流入経路となり得る地殻内のクラックの存在や性状について検討するため,当該地域の観測点で取得された震源の深さが20 km以浅の地震の波形に対し,S波スプリッティング解析を適用した。九州前孤域のうち内陸部においては,速いS波の振動方向(φ)が震源メカニズム解に基づく最大水平圧縮応力軸の方向と整合的であることから,S波偏向異方性が地殻応力場にしたがって配向したクラックの存在に主に起因していることが示唆される。一方で日向灘沿岸域では,地殻応力の方向とは異なる北北東-南南西~北東-南西方向または北北西-南南東~北西-南東方向のφの分布が明瞭に認められた。また,各震源と観測点間の平均的な異方性強度も算出した。その結果,霧島火山東方の観測点TAKAZAで取得された地震データからは5.6~7.0%の大きな異方性強度を示す地震波線が少数認められ,それらが火山性熱水の流入経路を反映している可能性が挙げられる。しかし日向灘沿岸域については,各観測点により取得された異方性強度は全て5%を下回ることから,震源から観測点まで連続した流体移動経路を示唆する波線は得られていないと判断される。
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3.
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高速増殖原型炉もんじゅ基礎岩盤における破砕帯の長さ分布
照沢, 秀司; 島田, 耕史
応用地質,
2019/12/10, Letnik:
60, Številka:
5
Journal Article
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断層の集団について,その長さ分布は,成長の度合いによって異なる統計的な性質を持つことが知られている.若い集団は,べき乗分布を示し,より成長した集団は,指数関数分布を示す.本稿では,福井県敦賀市に立地する高速増殖原型炉もんじゅの基礎岩盤の破砕帯群を対象として,建設当時のスケッチを用いて,長さ分布による統計的検討を行った.その結果,(1)破砕帯群は指数関数分布を示し,(2)北東方向の破砕帯が北北東方向の破砕帯に対して相対的に成長していることが示唆された.本稿で示した手法の適用性を向上させるためにも,様々な地質環境,規模下でのより多くの事例の蓄積が望まれる.
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4.
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フィッション・トラック法における近年の新たな展開—測定技術の高度化,アニーリング特性の理解,新手法の開発
末岡, 茂; 島田, 耕史; 長谷部, 徳子 ...
RADIOISOTOPES,
2021/03/15, Letnik:
70, Številka:
3
Journal Article
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フィッション・トラック(FT)法は,確立・普及した地球年代学/熱年代学の手法として知られるが,誕生から半世紀以上を経た現在でも発展を続けている。本稿では,2000年代以降の研究を中心に,FT法の基礎研究に係る発展と課題を概観し,今後FT法に携わる研究者達への指針としたい。具体的には,測定技術の高度化,アニーリング特性の理解,新手法の開発の3点に加え,FT解析に有用なソフトウェアについても紹介する。
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5.
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6.
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和歌山県田辺市本宮町川湯温泉周辺の露頭の赤外線画像
島田, 耕史; 後藤, 翠; 丹羽, 正和 ...
地質学雑誌,
2021/10/15, Letnik:
127, Številka:
10
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7.
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フィッション・トラック熱年代解析およびU-Pb年代測定に基づいた南九州せん断帯に分布する破砕帯の活動時期
末岡, 茂; 島田, 耕史; 照沢, 秀司 ...
地質学雑誌,
2021/01/15, Letnik:
127, Številka:
1
Journal Article
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南九州せん断帯に分布する破砕帯の活動時期の制約のため,紫尾山花崗閃緑岩体から再加熱を被っていない試料2点と破砕帯に切られたアプライト脈沿いの試料1点に,フィッション・トラック(FT)およびU-Pb解析を適用した.ジルコンU-Pb年代は14.0~13.5 Ma,ジルコンFT年代は14.7~13.7 Ma,アパタイトFT年代は12.6~10.0 Maを示した.本岩体は14.0~13.5 ...
Maに浅所に貫入し,60~130℃以下まで急冷したと推定された.平八重型と楠八重型の岩型で,貫入時期と冷却史に違いは見られなかった.せん断センスの観察によれば,破砕帯は約200℃以上でアプライト脈を複数回変位させている.破砕帯の活動時期は,アプライト脈の貫入時期(10.0±0.8 Ma)頃で,岩体の貫入・初期冷却に伴う膨張・収縮による破砕ではなく,岩体冷却後のテクトニックな作用に起因する可能性が高い.
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8.
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エラータ:断層ガウジの化学組成に基づく活断層と非活断層の判別
立石, 良; 島田, 耕史; 清水, 麻由子 ...
応用地質,
2021/06/10, Letnik:
62, Številka:
2
Journal Article
本誌に掲載された下記の原稿に訂正事項がありますので,お知らせいたします.掲載箇所:応用地質,第62巻,第2号,104-112ページ,2021 原稿の種別:資料
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10.
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2011年福島県浜通りの地震で活動した塩ノ平断層と活動しなかった車断層の断層破砕帯の特徴
青木, 和弘; 田中, 遊雲; 𠮷田, 拓海 ...
応用地質,
2021/06/10, Letnik:
62, Številka:
2
Journal Article
塩ノ平断層は,2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震(Mw6.7)によって,いわき市田人町旅人滑石から石住綱木北西に至る約14 kmの区間に出現した,北北西から南南東へ延びる地表地震断層である.車断層は,塩ノ平断層の南方5 ...
kmに認められる断層であり,この地震時に地表変位は現れていない.最近活動した断層の近くに,同様の走向を持ちながらも活動しなかった断層があることから,新たな断層活動性評価手法の可能性を探るため,塩ノ平断層で2ヶ所,車断層で1ヶ所を調査地点として選定した.本稿では,それぞれの地域でこれまで実施してきた調査のうち,野外地質調査・ボーリング調査・コア観察・XRD分析・同位体分析・流体包有物分析・透水試験の結果について報告する.断層破砕帯の地質・鉱物・透水性などの特徴として取りまとめられた3地点で得られた成果は,断層の活動性を検討するための基礎的なデータとして活用される.
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