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甲状腺内胸腺癌(intrathyroid thymic carcinoma)の 1 例
野田, 美月; 嶋崎, 絵里子; 山内, 盛泰 ...
耳鼻と臨床,
2023/05/20, Letnik:
69, Številka:
3
Journal Article
Odprti dostop
症例は 56 歳、男性。嗄声を主訴とし喉頭内視鏡検査にて左声帯麻痺を認め、超音波検査、造影 CT で甲状腺左葉下極に境界不明瞭な腫瘍陰影を認めた。穿刺吸引細胞診では乳頭癌の特徴を示さず核異型が強い悪性細胞を認め、甲状腺癌やその他の悪性腫瘍を疑い甲状腺左葉切除術・傍気管郭清術を施行した。手術では腫瘍が浸潤した反回神経や胸骨甲状筋、副甲状腺、周囲脂肪組織を一塊に切除した。免疫組織化学染色では CD5 ...
陽性、サイログロブリン・TTF-1 陰性であり甲状腺内胸腺癌と診断された。切除断端は陰性で遠隔転移もなく経過観察とした。甲状腺内胸腺癌は浸潤傾向が強いが、甲状腺未分化癌や甲状腺扁平上皮癌と比較し経過が緩徐で予後良好であり、治療は根治切除が第一選択である。甲状腺下極に境界不明瞭な腫瘍を認め、細胞診にて乳頭癌細胞とは異なる悪性細胞を認めた場合は本疾患を鑑別に挙げ、断端陰性となる根治切除を行うことが重要と思われた。
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シスプラチン / 5-FU / セッキシマブ併用導入化学療法による喉頭温存治療
山内盛泰; 峯崎晃充; 石田知也 ...
喉頭,
12/2022, Letnik:
34, Številka:
2
Journal Article
「1. はじめに」 局所進行喉頭癌・咽頭癌に対する喉頭温存目的の治療として, 高用量シスプラチン併用の化学放射線療法(CRT)が標準治療として確立している. しかし高用量シスプラチン併用CRTによる嚥下障害や腎機能障害などの全身的な有害事象への対策も重要な課題となっている. 高用量シスプラチン併用CRT群と, ...
シスプラチン/5-FU併用導入化学療法(ICT)からの単独放射線療法群(ICT-RT群), そして単独放射線療法群(RT群)の3群を比較したRTOG91-11試験の長期成績報告によると喉頭温存生存率, 粗生存率(OS)ともにICT-RT群が最も優れていたという結果であり, 喉頭機能温存や全身的な影響を考えると長期的にはICTが有用である可能性が改めて示されたと考えられる. しかし現在ICTの標準治療であるドセタキセル/シスプラチン/5-FU併用(TPF)療法は発熱性好中球減少症などの血液毒性の強さがしばしば問題となるため, 同等の効果を持ち, より安全な治療法が望まれているのが現状である.
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