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大規模医療情報データベースを用いた薬剤性心毒性の予防法の開発
濱野, 裕章; 座間味, 義人; 牛尾, 聡一郎 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
03/2024, Letnik:
144, Številka:
3
Journal Article
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「1. はじめに」近年, がん治療の薬物療法は著しい進歩を見せ, それに伴い患者の生命予後が改善している. しかしながら, 免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)やドキソルビシンといった抗がん剤の使用による心筋損傷や心不全などの薬剤起因の心毒性が増加し, このような副作用による死亡率が, がんによる死亡率を超えることが報告されている. ...
これらの情況を鑑みると, 薬剤性心毒性の予防及びマネジメントは, 患者の生活の質を保つとともに長期的な治療を実施するうえで, ますます重要となってきている. 現代の医学研究の主軸は, 薬剤の効果とその副作用の正確な評価であり, この目的のために, 副作用データベースなどの医療ビッグデータの活用が世界中で進められている. 筆者らの研究グループにおいても, 薬剤性心毒性への対策の確立を追求し, 大規模な医療情報を活用した研究を実施している.
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2.
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心肺停止患者における生存率の向上を志向したドラッグリポジショニング研究 —大規模医療情報を活用した検討
座間味, 義人; 新村, 貴博; 武智, 研志 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
2017, Letnik:
137, Številka:
12
Journal Article
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「1. はじめに」 日本における心停止患者数は年間約10万人で, 高齢化に伴ってさらに増加していくと予想されている. 全世界では毎年約1億人の心肺停止患者が発生しており国際的な課題となっている. 心肺蘇生法の進歩により救命率が向上しているものの, 心拍再開後に高率で蘇生後脳症を合併するため社会復帰率は非常に低い. 蘇生後脳症に対する治療は長期にわたり, ...
後遺症が残ると介護が必要になるので医療費増大による経済的損失は計りしれない. 現時点で心肺停止に合併する蘇生後脳症を改善する薬剤は存在しないため新規治療薬の開発が望まれている. 近年, 臨床現場で使用されている既存薬の新しい薬効を発見し, その薬を別の疾患の治療薬として開発するドラッグリポジショニングという創薬戦略が提案されている.
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3.
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救急医療における薬剤師の可能性を考える.臨床現場の薬剤師活動と大学教育を融合し救急医療に精通した薬剤師を育成するには
座間味, 義人; 小山, 敏広; 名倉, 弘哲 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
07/2016, Letnik:
136, Številka:
7
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急性期医療の現場である救急医療においては, 重症度や緊急度の高い患者に迅速かつ高度な医療の提供が必要とされる. ハイリスク医薬品が汎用される今日, 薬剤師の積極的な関与が希求されている. 現在, 規模の大小を問わず幅広い医療機関で薬剤師が救急医療に従事している. しかし, 救急医療現場の重症患者に対する薬学的支援は, 適切な教育が確立されていないため, 独学でノウハウを確立し, ...
多くの薬剤師が困難な中努力されている.
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4.
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救急医療における薬物治療に主眼を置いた薬学教育
座間味, 義人; 小山, 敏広; 今井, 徹 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
07/2016, Letnik:
136, Številka:
7
Journal Article
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「1. はじめに」救急医療では生命の危機に曝されている患者に対して様々な薬剤が用いられるため, チーム医療の一員として薬剤師の積極的な関与が期待されている. 2008年の診療報酬改訂より救命救急入院料や特定集中治療室管理料等を算定している患者においては, 意思疎通が不可能な場合でも, 薬学的管理を行うことで薬剤管理指導料を算定できるようになり, ...
薬剤師の救急病棟におけるチーム医療への参画が広がっている. しかし, 救急医療における重症患者に対する薬学的支援のための適切な教育システムが構築されていないのが現状となっている. 岡山大学薬学部は, 全国で初めて「救急薬学講座」を設立し救急領域に特化した先駆的な教育・研究を行っている. 教育面では, 高性能患者シミュレーターを用いて薬学的介入の実践に重点を置いた薬学生向けの救命実技演習を実施し, 受講学生の救急患者への対応に対する自信を高めることに成功している.
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5.
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インスリン抵抗性高血圧と血管周囲神経機能変化−機序解明への新たなアプローチ
高取, 真吾; 座間味, 義人; 橋川(芳原), 成美 ...
日本薬理学雑誌,
2012, Letnik:
139, Številka:
2
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インスリン抵抗性は,カロリーの摂取過剰,運動不足,肥満等が原因となり食後高血糖が継続することで,末梢組織におけるインスリンの糖取込み効果が得られにくくなった状態を示す.病態初期には,インスリン分泌が維持されているため,結果として血中のインスリン値が上昇して高インスリン血症を生じる.その後,膵臓β細胞の疲弊の結果,インスリン分泌不全となり糖尿病へ進展するので,糖尿病の前段階の病態である.また,脂質異常症および高血圧の発症やそれらの進展に深く関与するほか,脳や心臓などに動脈硬化症を起こしやすくなることが明らかにされている.しかしながら,糖尿病に伴う高血圧についてはその発現機序が十分に明らかにされていない.そこで我々は,インスリン抵抗性により誘導される高血圧(インスリン抵抗性高血圧)の発症メカニズムの解明を目的として,血管周囲神経を介した血管調節機構に及ぼす高インスリン血症および高血糖の影響について検討を行い,(1)血管拡張性神経(カルシトニン遺伝子関連ペプチド,CGRP神経)の分布減少と機能低下,(2)交感神経の分布増加と機能亢進などのメカニズムを介して,高血圧の発症・進展に関与しているという新たな知見を得た.これらの研究成果は,インスリン抵抗性高血圧の病態解明に繋がるのみならず,インスリン抵抗性時に認められる神経リモデリング作用に基づいて神経因性疼痛などの神経変性疾患の治療薬開発など新しい研究分野の創出にも新たな知見をもたらし,社会的貢献は非常に大きいと考えられる.
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UL
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6.
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血管周囲神経リモデリングにおけるアンジオテンシン受容体の役割
芳原, 成美; 合田, 光寛; 橋川, 直也 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
2010/11/01, Letnik:
130, Številka:
11
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「1. はじめに」高血圧症の大部分を占める本態性高血圧は末梢血管抵抗の異常緊張に基づくと考えられているが, その原因はいまだ不明である, 血管はその緊張を変化させて生体の臓器機能を支える重要な要素である臓器血流量を調節している. 血管周囲神経にはノルアドレナリンを伝達物質とする血管収縮性の交感神経が主に分布し, アセチルコリンを伝達物質とする副交感神経はほとんど分布していない. しかし近年, ...
血管に非アドレナリン・非コリン性(nonadrenergic noncholinergic;NANC)神経が分布し, 血管緊張度調節に関与していることが明らかにされている.1) NANC神経には, 交感神経や副交感神経においてノルアドレナリンやアセチルコリンのco-transmitterとして共存すると考えられている物質を伝達物質とするものや, 知覚神経に含まれる遠心性機能を有すると考えられているものが含まれる. カルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide;CGRP)は主に脊髄後根神経節(dorsal root ganglia;DRG)で産生され, カプサイシン感受性の知覚神経に含まれる. CGRP含有神経は終末で遊離され, 血管平滑筋上に存在するCGRP受容体を介して強力な血管拡張作用を示し, 交感神経との相反作用による抵抗血管の緊張調節に関与していることが報告されている.
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7.
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パンデミック後の薬学部病院実務実習の変化
猪田, 宏美; 武田, 達明; 西原, 茂樹 ...
医学教育,
2023/12/25, Letnik:
54, Številka:
6
Journal Article
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NUK, UL, UM, UPUK
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8.
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Propolis 長期投与による Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty (OLETF) ラットの インスリン抵抗性改善作用
座間味, 義人; 藤原, 弘喜; 細田, 美穂 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
06/2010, Letnik:
130, Številka:
6
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「緒言」Propolisは, ミツバチが蜂巣の隙間を埋めて外敵から巣を守るために植物の新芽や樹脂などから作る物質である. ブラジル産Propolisには, 桂皮酸誘導体(アルテピリンC, p-クマル酸など), フラボノイドを始めとした生理活性物質, 各種ビタミン類, ミネラルなど, 人の健康維持に役立つ有用成分が豊富に含まれている. 1-4)これらの成分には, 抗菌活性, 5)抗腫瘍活性, ...
6)抗炎症作用, 7)抗酸化作用8)などの生理活性作用が見い出されている. また近年, 糖負荷した正常動物及び病態モデル動物においてブラジル産Propolisによる血糖降下作用9,10)及び血圧低下作用11,12)が報告され, Propolisが肥満, 高血圧, 耐糖能異常を改善する可能性が示唆されている. われわれは, フルクトース飲水負荷によって実験的に作製した糖尿病前段階であるインスリン抵抗性モデルラットを用いた検討において, Propolisがインスリン抵抗性を改善することを見い出し, 糖尿病の予防に有効である可能性を示唆した. 13)
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9.
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新教育技法「チーム基盤型学習(TBL)」の臨床薬学教育における有用性
須野学a; b; 吉田登志子a ...
YAKUGAKU ZASSHI,
10/2013, Letnik:
133, Številka:
10
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「緒言」高等教育は, 世界的に教員中心から学習者中心へ, 大講堂での講義から少人数グループ中心の学習へと変わってきている. 近年, 学習者の問題発見及び解決能力, 能動的学習を促進する教育手法として問題基盤型学習(problem-based learning ; PBL)が導入され, チュートリアル方式にて医療系教育に広く用いられている. ...
わが国の医療系教育において普及しているPBLチュートリアルだが臨床で役立つ問題解決能力を学べるというメリットの一方で, 少人数グループにて学生主導で授業が進むため, グループ数に応じたチューターを必要とし, 学生数に応じた教員の確保が必要となる. 加えて, 各グループ個別の学習スペース(学習室)を要するなど, 人的資源及び設備の問題点も見受けられる.1,2) また, 学習者の主体性を尊重しているため, 自主学習へのモチベーションが低い学習者に対する教育効果は小さく, 学習集団に対して均質な学習効果を得ることが困難であるとされているなど, PBLによって得られるアウトカムが従来型の講義中心によるカリキュラムと比較して同等, あるいはネガティブであるとの報告もみられるようになってきた.3-6)
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10.
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腎血管性高血圧における血管周囲神経の機能変化
小山, 敏広; 畑中, 由香子; 合田, 光寛 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
2009, Letnik:
129, Številka:
2
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「1. はじめに」高血圧患者は今や国内では, 約780万人に上り, 毎年患者数は増加の一途を辿っている. また, 高血圧状態が長期的に継続することにより様々な臓器において障害が発生することが知られている. 高血圧症は, 日本人の死因の上位を占める脳梗塞, 脳出血, 虚血性心疾患の危険因子であることが疫学調査から明らかにされており, 9)生命予後に大きく影響する危険因子として考えられている. ...
現在までに, 高血圧の発症機序や慢性的な高血圧がもたらす合併症について多くの研究がなされ, カルシウム拮抗薬, アンジオテンシン変換酵素阻害薬(angiotensin converting enzyme inhibitor;ACEI)や, アンジオテンシンIIタイプ1受容体拮抗薬(angiotensin II type 1 receptor blocker;ARB)が開発され臨床応用により, 高血圧治療に大きく貢献している. しかし, いまだ高血圧の発症機序には不明な点が多く残っており, 高血圧発症, 進展における機序をさらに解明し, より効果的な高血圧治療のための研究が進められている.
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