地すべり・崩壊発生箇所の予測において,広範囲,複数の箇所を一度に判断するのは難しい.近年,高精細なLiDAR(light-induced direction and ranging)データの日本国内の取得が進んでいる.このデータは,現在の地表面で検出できる過去の履歴の蓄積である.本研究は,地質,地形などの条件が比較的類似し一つのイベントで発生した2011年台風12号(アジア名Typhoon ...talas)で発生した38箇所の崩壊(崩壊発生),および隣接する63箇所の崩壊していない山体重力変形地形(崩壊非発生)を入力データとして,実際に深層崩壊が生じた箇所の教師データを作成し,深層学習を用いて山体重力変形を自動検出する方法を検討した.検出結果は,正解率0.856で,数値ツールを用いた深層崩壊発生箇所予測の有効性を示唆した.また,崩壊範囲外において崩壊判定が認められた箇所もある.これは,“崩壊する可能性のある箇所”として今後の崩壊発生の候補とすることができ,深層学習は将来的に深層崩壊発生箇所の予測を改善できるだろう.
「I 緒言」ペダリングスキルは自転車競技(トラック競技およびロード競技)のパフォーマンスに影響を与える重要な要素であり, サイクリストは競技力向上を目的にスキルトレーニングを行っている. ペダリングスキルは生理学的側面(Candotti et al., 2007; Coyle et al., 1991; Mornieux et al., 2008; Zameziati et al., ...2006)および力学的側面(Candotti et al., 2007; Coyle et al., 1991; Korff et al., 2007; Mornieux et al., 2008; Rossato et al., 2008; Sandersonet al., 2000; Zameziati et al., 2006)などから多角的に評価されている. 力学的側面からペダリングスキルを評価した研究の多くは, ペダルに加えた力の合力(以下「ペダル合力」と略す)とクランクに対する接線方向の力(以下「有効踏力」と略す)の比から, ペダルに加えた力の有効性を示すIndex of force effectiveness(以下「IFE」と略す)や(Candotti et al., 2007; Coyle et al., 1991; Korff et al., 2007; Mornieux et al., 2008; Rossato et al., 2008; Zameziati et al., 2006), クランクの回転を妨げる力" である負の有効踏力の大きさから評価している(Sanderson et al., 2000).