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北海道盲導犬協会におけるラブラドールレトリバー213頭についての若年白内障の発生状況調査
久保, 明; 余戸, 拓也; 寺門, 邦彦 ...
比較眼科研究,
12/2010, Volume:
29
Journal Article
Open access
盲導犬とは視覚障害を持つヒトを誘導するための使役犬であり、そのため、盲導犬自身が視覚障害を生じることは使役を果たすために重大な問題となる。本研究では視覚障害の原因となる白内障の発生を繁殖計画により制御することを目指して、最初の段階として、盲導犬として訓練期間中のラブラドールレトリバーにおける若年白内障の発生状況を調査したのでその概要を報告する。盲導犬として訓練中のラブラドールレトリバー213頭について威嚇瞬目反応、対光反射、眼圧測定、細隙灯生体顕微鏡検査を実施し、白内障が検出された個体ごとに白内障の形成部位、年齢、性別、血縁について調査を行った。若年白内障は12頭17眼に認められ、白内障発生個体の平均年齢は1.24±0.24歳、発生率は5.63%であった。白内障発生個体12頭うち、水晶体後部に白内障が観察されたのは11頭であった。血縁についての調査では、白内障発生個体で同じ両親から生まれた個体は2頭1組(Group A)、父犬が同じである場合が2組(Group B, C)、母犬が同じである場合は3組(Group A, D, E)で認められた。本研究におけるラブラドールレトリバーの白内障の発生率は北米での調査においてコントロール群とされた雑種または交雑種の白内障発生率よりも高く、このことから本犬種における白内障の好発傾向が再確認された。本研究における白内障発生率は英国やオランダにおける本犬種の白内障発生率よりもやや低い成績となった。この原因としてはこれらの研究が全年齢を対象とした報告であったのに対して、本研究が盲導犬として訓練中の若齢犬を対象とした研究であり、より高齢での白内障の発生を検出できなかったことが考慮された。よって、本研究の対象犬については引き続き、追跡調査の必要があると考えられた。白内障の形成部位についての検討では検出された白内障のほとんどが水晶体後部に存在し、この傾向は既報でのラブラドールレトリバーの白内障所見と同様な傾向であった。白内障発生個体の血縁関係の調査では明らかな血縁関係が認められ、遺伝性素因が強く関連していると考えられた。よって、盲導犬の選定においては白内障個体を避けるべきであり、また、今後は更に白内障発生の危険を回避できるような繁殖計画の策定とその改善に努める必要があると考えられた。
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動物看護師の画像検査補助への認識に対する意識調査
湯川, 尚一郎; 濵田, 恵里; 渡部, 智大 ...
動物臨床医学,
2015, Volume:
24, Issue:
2
Journal Article
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私達は質問用紙を用いて,動物看護師を対象にX線検査と超音波検査の画像検査補助に対する認識を調査した。合計403名の動物看護師が本調査に参加し,395名が正しく回答した(有効回答率98.0%)。「画像検査の重要性」に関する問いに対して,92%(363人)が「(重要性が)高い」と回答した。「画像検査補助としての動物看護師の役割の重要性」に関する問いに対して,57% (227人) が「(重要性が) ...
高い」 と回答し,2% (8人) は,「(重要性が) 低い」と回答した。X線検査では,「画像検査補助を学ぶ重要性」に関する問いに対し,75%(297人)が「(学ぶ重要性が)高い」と回答した。「意欲的に画像検査業務に取り組みたいか」との問に対して,「取り組みたくない」と回答した者は両検査ともに5%未満と低く,画像検査業務に取り組む意欲があるという結果となった。本調査から動物看護師の多くは画像検査補助に高い関心をもち,検査補助の重要性を認識していることを伺わせる結果となった。日本では,動物看護師の職域は明確に定まっていない。本調査結果は今後動物看護師の職域を決める上で有用になるだろう。
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地域猫活動を参考にした大学キャンパス内に住み着いたノラネコの管理
古本, 佳代; 近藤, 千晶; 村尾, 信義 ...
Veterinary Nursing,
2020, Volume:
25, Issue:
2
Journal Article
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地域猫活動を参考に大学キャンパス内のノラネコの管理に取り組んだ。ノラネコ数の縮減と長期的な活動継続の要素について考察するため、個体数、不妊去勢手術済み数、遺棄個体数、新規個体数、譲渡個体数、失踪個体数、死亡個体数、学内教育動物病院への治療依頼数、活動メンバー数、活動経費を算出し分析した。譲渡、失踪、死亡による数の減少が繁殖、新規参入、遺棄による数の増加より上回り、大学キャンパス内のノラネコ数は縮減し、ゼロとなった。管理したノラネコの約半数は失踪あるいは死亡したが、約半数は新しい飼い主に譲渡され、キャンパス内のノラネコ数の縮減に一定の成果を上げることができた。6年間の活動期間中の活動メンバーおよび活動資金は安定的に確保できた。TNR(trap-neuter-return)活動と新しい飼い主への譲渡を組み合わせた取り組みと、活動の効果発揮のための組織作りがノラネコ数の縮減と長期的な活動継続の要素となったことが示唆された。
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小動物臨床における3Dプリンターの応用
神田, 鉄平; 佐々木, 崇了; 前田, 憲孝 ...
日本獣医師会雑誌,
2011/08/20, Volume:
64, Issue:
8
Journal Article
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日本における犬用ドライフードからのサルモネラ属菌検出状況調査
湯川, 尚一郎; 加門, 由理; 木川, 祐菜 ...
ペット栄養学会誌,
2018/04/10, Volume:
21, Issue:
1
Journal Article
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ドッグフードへのサルモネラ属菌の混入に注目し、日本国内で販売される犬用ドッグフードを対象に調査を行った。方法は「愛玩動物用飼料等の検査法(27消技第1051号)」に従った。対象製品は27社の犬用ドライフードから選択した国産フード63製品、輸入フード47製品とした。輸入フードの原産国の内訳は米国14製品、オランダ7製品、タイ・カナダ・フランスが6製品、オーストラリア5製品、スウェーデン2製品、チェコ1製品であった。その結果、サルモネラ属菌は、今回調査した、すべての製品で陰性であった。
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モルモットに観察された自然発生の空胞性白内障-(2)
藤枝, 光博; 鈴木, 智; 岡田, 浩史 ...
比較眼科研究,
2002, Volume:
21, Issue:
3-4
Journal Article
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我々が既に報告したCrj: ...
Hartleyモルモットの自然発生性の空胞性白内障について、さらに経日的な検索を行った。その結果、眼科学的検査において両側性の空胞性白内障が高い発症率(52%)で認められた。これら空胞性白内障は28週齢以前に発症し、その発症形態は水晶体の赤道部に空胞が認められた後、空胞が消失するものと、空胞が前極側に伸張し、白内障が重度化するものとに大別された。重度化した例の病理組織学的検査では、水晶体前極皮質の空胞化、皮質線維の変性及び配列異常が認められた。空胞性白内障が観察されたモルモットは、いずれも高い血糖値を示し、高血糖値と空胞性白内障の関連が示唆された。そこで、制限給餌により血糖値を低下させたところ、空胞は明らかに軽減した。さらに、これらの動物を制限給餌から不断給餌に戻したところ、血糖値の上昇に伴い空胞性白内障の進行が認められた。このことから、空胞性白内障の発症には、高血糖値の関与が明らかになった。以上、高血糖値を示すモルモットに認められた空胞性白内障は、自然発生性の糖尿病性白内障と考えられた。モルモットは、ヒトと同様に糖誘導体であるアスコルビン酸(ビタミンC)を体内で合成できないことから、ヒト糖尿病性白内障の有用な疾患モデル動物となる可能性が考えられた。
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外側鼓室胞骨切り術に超音波手術器を使用した慢性化膿性中耳炎のアメリカン・コッカー・スパニエルの1例
前田, 憲孝; 佐々木, 崇了; 神田, 鉄平 ...
Jūi masui gekagaku zasshi,
2011, Volume:
42, Issue:
2
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長期の慢性外耳炎の病歴を持つアメリカン・コッカー・スパニエルで、右側頬部の膿瘍ならびに外耳道口の腫瘤形成が認められた。CT検査により外耳および中耳の占拠病変、鼓室胞腹側の骨融解が認められ、超音波手術器を用いた外側鼓室胞骨切り術および全耳道切除術により良好な経過を得た。本症例の病態として、慢性の外耳炎が引き金になり、腫瘍が形成されることで、慢性化膿性中耳炎ならびに瘻管形成による頬部の皮下膿瘍が生じたと考えられた。
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UPLラット白内障の発現遅延について
古川, 敏紀; 信清, 麻子; 古本, 佳代 ...
比較眼科研究,
2000, Volume:
19
Journal Article
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神経線維解析装置GDx-Nを用いたイヌの眼の観察
信清, 麻子; 古川, 敏紀
比較眼科研究,
2004, Volume:
23, Issue:
1-2
Journal Article
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眼検査では一般外観検査から始まり精密・特殊検査に至るまで種々の検査が行われる。そのうち医学で近年用いられているのが、神経線維解析装置である。本装置は網膜神経線維層の厚みを測定する装置であり、今までは、眼底検査や無赤色光を用いた眼底撮影などにより、欠損の有無を確認する定性的な変化を捕らえることしか出来なかったが、本装置は変化を定量的に評価することを可能にしたものである1-3)。 ...
網膜神経線維層の変化をモニターすることが有用な疾患として緑内障があげられる1-3)。現在獣医学領域における緑内障の経過観察及び治療評価は、主に眼圧測定ならびに眼底検査成績に基づいているが、それらに加えて診断をより確実にするために、網膜神経線維層の評価は有効と考えられる。しかしながら、イヌの眼はヒトの眼と比較すると、タペタムが存在することならびに眼球の形状が前眼部に比べて後眼部が深いなどの違いがあるため、本装置の使用が可能であるかは定かではない。 そこで、本装置を用いた撮影ならびに評価の可能性を検討するために、イヌの眼の網膜神経線維層を観察したので、その成績を報告する。
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