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  • 神経線維解析装置GDx-Nを用いたイヌの眼の観察
    信清, 麻子; 古川, 敏紀

    比較眼科研究, 2004, Volume: 23, Issue: 1-2
    Journal Article

    眼検査では一般外観検査から始まり精密・特殊検査に至るまで種々の検査が行われる。そのうち医学で近年用いられているのが、神経線維解析装置である。本装置は網膜神経線維層の厚みを測定する装置であり、今までは、眼底検査や無赤色光を用いた眼底撮影などにより、欠損の有無を確認する定性的な変化を捕らえることしか出来なかったが、本装置は変化を定量的に評価することを可能にしたものである1-3)。 網膜神経線維層の変化をモニターすることが有用な疾患として緑内障があげられる1-3)。現在獣医学領域における緑内障の経過観察及び治療評価は、主に眼圧測定ならびに眼底検査成績に基づいているが、それらに加えて診断をより確実にするために、網膜神経線維層の評価は有効と考えられる。しかしながら、イヌの眼はヒトの眼と比較すると、タペタムが存在することならびに眼球の形状が前眼部に比べて後眼部が深いなどの違いがあるため、本装置の使用が可能であるかは定かではない。 そこで、本装置を用いた撮影ならびに評価の可能性を検討するために、イヌの眼の網膜神経線維層を観察したので、その成績を報告する。