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  • 広範な漿膜下リンパ管侵襲を呈し追加切除を要した小型0-...
    野中, 健一; 浅井, 竜一; 安福, 至; 富田, 弘之; 松橋, 延壽; 廣瀬, 善信; 高橋, 孝夫; 山口, 和也; 長田, 真二; 吉田, 和弘

    日本消化器外科学会雑誌, 2013, Volume: 46, Issue: 10
    Journal Article

    症例は70歳の男性で職場の検診で下部消化管内視鏡検査を施行し上行結腸バウヒン弁対側に大きさ15×8 mm,肉眼型0-IIc型の病変を認めた.当院での下部消化管内視鏡検査で腫瘍陥凹部にVIおよびVN pit patternを認め,超音波内視鏡検査では第4層の途絶を認めた.CTを施行したところNo. 202リンパ節に転移を疑わせる腫大を認めた.腹腔鏡下回盲部切除および3群リンパ節郭清を施行したが,術後の病理組織学的検索にて口側断端近くの漿膜下リンパ管浸潤を認めたため,追加切除を施行した.切除腸管に腫瘍細胞の残存は認めなかった.腫瘍が小型であっても0-IIc型の大腸癌はde novo発癌であることが多く脈管侵襲を来しやすい.また,本症例は術前CTで中間リンパ節に転移が疑われており,リンパ管への浸潤傾向が強かったことが考えられる.このような症例は回腸も腫瘍から十分な距離を離して切離すべきであると考えられた.