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  • めまい外来で用いる心理検査
    西村, 信子; 伏木, 宏彰; 角田, 玲子

    Equilibrium Research, 01/2018, Volume: 77, Issue: 1
    Journal Article

    「はじめに」 本邦のめまい有訴者は, 現在, 人口千人当たり27.9人(男性12.7人; 女性30.4人)であり, その比率は年齢階級と共に上昇することが明らかとなっている. めまい・ふらつきは, 内耳の平衡障害によるものが全体の約6割と耳鼻咽喉科領域のものが多いが, 生命に危険が及ぶ小脳や脳幹を中心とした中枢の障害, 不整脈や立ちくらみなどの血液循環の調節障害により誘発される症状, 頭痛が関連するめまい, 心因性のめまいなど多岐にわたる. 心理的要因を主とする心因性のめまい・ふらつきは10~20%を占めるとの報告がある. また, 精神疾患はしばしばめまい疾患に併存していることが知られている. 初診時に問診の他にDHIやPOMS, SDS, STAIなどの心理検査を併用し心理的要因の関与の程度を的確に把握することは, その後の治療方針を検討する上できわめて重要である.