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  • 術後17年で脳転移・21年で小腸転移をきたした乳癌ol...
    村田, 宇謙; 田中, 久美子; 永田, 好香; 磯貝, 尚子; 下山, ライ; 手島, 伸一; 河内, 順

    日本臨床外科学会雑誌, 2020, Letnik: 81, Številka: 9
    Journal Article

    乳癌術後17年目で脳転移,21年目で小腸転移をきたした乳癌晩期再発の症例を経験したので報告する.症例は71歳の女性.21年前に右乳癌にて右乳房切除術+腋窩郭清を施行した.サブタイプはluminal B(ER 60%,PgR 60%,HER2 score0,Ki67 20%)T1N1M0 stage 2AでCMF療法4コース,タモキシフェン投与後に,経過観察されていた.乳癌術後17年目で脳転移が見つかり,脳腫瘍切除を施行し他の多発性病変はγナイフ施行とした.脳腫瘍の病理は腺癌の転移でER 80%,PgR 40%,HER2 score0,Ki67 60%,右乳癌の晩期再発と矛盾しなかった.今回,右乳癌術後21年目に腸閉塞になり試験開腹となった.Treitz靱帯から50cmの場所に腫瘤があり,小腸部分切除を施行した.摘出標本の病理所見は既往の右乳癌細胞と類似(ER 70%,PgR 10%,HER2 FISH陽性,Ki67 10%-50%)していた.他に原発巣もなく,既往の右乳癌の小腸転移による腸閉塞と診断した.小腸転移から1年が経過し,通院中である.