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  • “ボロノレクチン”による生体対話を通じて切り拓くバイオ...
    松元, 亮

    YAKUGAKU ZASSHI, 05/2023, Letnik: 143, Številka: 5
    Journal Article

    「1. はじめに」ボロン酸(boronic acids)は, 糖との結合性から, レクチンに準えて「ボロノレクチン」と形容される. 低分子でありながら多様な生体分子と相互作用し, 合成化学的にその選択性をデザインできる類希な分子群である. ある局面ではリボースの環境安定性を高めることから, これを生命起源説の一つである「RNAワールド仮説」の支持根拠とする学説がある. ボロン酸の係わる分子認識では, それ自体の解離挙動と同期した親疎水性の変化も付随するため, これらを適切に分子デザインすることで, 複合的・階層的な環境応答性の付与・機能化が可能となる. ボロン酸による分子認識は一般に可逆・環境依存的であり, 同様に, 生体分子はその発現量を常に変動させながら恒常性維持に寄与している. したがって, 上記ボロン酸ケミストリーを駆使して種々生体分子を捉えることで, 生体とのフィードバック機構, いわばクロストーク機能を備えたユニークなバイオエンジニアリングが実現できる.