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  • トマト退緑ウイルスの機械的接種法の開発
    木村, 重光

    Nippon shokubutsu byōri gakkai, 2022/05/25, Letnik: 88, Številka: 2
    Journal Article

    2021年,京都府内でトマト退緑ウイルス(tomato chlorosis virus, ToCV; クリニウイルス属)によるトマト黄化病の発生が確認され,京都府内のトマト産地において本病の被害が発生している.一般にToCVはコナジラミ類によって媒介され,機械的接種では伝染しないと考えられていた.ToCVや他のコナジラミ類媒介性のトマトのウイルスの防除方法開発は,手間のかかる虫媒伝搬法に多くを依存しているため,汁液を用いた効率的で信頼性が高い機械的接種方法の開発が望まれる.そこで,本研究では歯ブラシを用いた新しいToCV機械的接種方法の開発を試みた.ToCV感染葉を4倍容量の0.1%(v/v)2-メルカプトエタノール加用リン酸系緩衝液中で磨砕し,カーボランダムを添加した後,汁液を歯ブラシに浸し刺傷接種を行った.本法によるToCVの接種によって,接種後17日程度でトマトに特徴的な黄化症状を伴う病徴が現れ,発症株ではいずれもOne-step RT-PCRによりToCV感染が確認された.検討の結果,磨砕には100 mMリン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)が適していると考えられ,その場合のToCV感染率は81.0%であった.以上,筆者の知る限り,本研究結果がToCVの汁液伝染を確認した最初の報告である.