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保育所内の与薬依頼経験のある母親における与薬への意識と与薬依頼頻度に関連する要因の検討
柳, 奈津代; 佐藤, 宏樹; 澤田, 康文
YAKUGAKU ZASSHI,
09/2021, Volume:
141, Issue:
9
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「緒言」保育所等を利用している乳幼児の数は近年増え続け, 2020年4月時点においては274万人に達している. 特に1, 2歳児を中心とする低年齢児の増加が著しく, 約半数(50.4%)の乳児が保育所で過ごしている. 低年齢児は集団生活によって感染し易く, 年長児に比べて保育所で与薬される割合が高いことから, 低年齢児の利用増に伴って保育所等での与薬の頻度も増加していると推測される. ...
保育現場での与薬について, 一定の条件を満たしている場合, 事前の家族の依頼に基づく与薬は医行為とはみなされないことが2005年に厚生労働省の通知によって示された. 結果として, 与薬を引き受ける施設では, 本来の保育に係わる業務のほかに与薬に関連する業務が加わったと言える. 与薬に関して, 保護者から児を預かっている責任感から何か起こってはいけないという重圧によって保育士の不安や緊張が高まっていると考えられることや, 与薬忘れや誤薬, 児の急変などの不安や困難を約6割の保育士が感じていたことなどが, これまでの調査によって示されている.
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保育園児をもつ母親からみた保育所における与薬の実態
柳, 奈津代; 佐藤, 宏樹; 澤田, 康文
YAKUGAKU ZASSHI,
08/2021, Volume:
141, Issue:
8
Journal Article
Peer reviewed
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「緒言」近年の核家族化や共働き家庭の増加にともなって, 保育所等の利用率は上昇し続けており, 2020年4月時点においては274万人の乳幼児が利用している. 保育園児が保育所等での服薬を必要とする場合に関して, 一定の条件を満たしている場合は, 保育現場における医師や看護師の免許をもたない保育職員の医薬品の使用の介助 (与薬) ...
が医行為とはみなされないことが平成17年7月の厚生労働省医政局長からの通知によって示された. 具体的には, 皮膚への軟膏の塗布, 湿布の貼付, 一包化された内用薬の内服等の服薬介助であり, 事前に家族らが依頼し, 医師・薬剤師の服薬指導や看護職員の指導・助言の下に行われる. これまでの保育所での与薬に関する研究では, 条件付きでの引き受けを含めると多くの保育所で与薬を引き受けており, 看護職がいても担当保育士が与薬する施設が多いことや, 保育士による適切ではない与薬の経験が報告されてきた.
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介護施設スタッフの医薬品関連業務に関する実態及び意識調査
馬来, 秀行; 朴, 恵林; 三木, 晶子 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
10/2020, Volume:
140, Issue:
10
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「緒言」厚生労働省は2005年, 医療及び介護ニーズの多様化に伴い, 免許を有さない者が医療や介護に携わる場面が増えたことを背景に, 高齢者介護の現場等において原則として医行為ではない業務をまとめて通知した. 現時点で許可されている行為として, 皮膚への軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く), 皮膚への湿布の貼付, 点眼薬の点眼, 一包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む), ...
肛門からの坐薬挿入又は鼻腔粘膜への薬剤噴霧の介助が明記されている. すなわち, 医師・看護師がその場に不在であっても, 介護スタッフは入居者の一包化された内用薬の服薬介助及び外用剤の使用介助を行うことができる. 実際に, 86.2%の有料老人ホームで服薬管理サービスを提供しており, 多くの介護施設で介護スタッフによる服薬介助が行われている現状である. また, 「平成25年度有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究事業報告書」によると, 有料老人ホームの場合, 自立度の高い入居者の割合も多いこともあり, 診療所の併設割合は約10%, 薬局の併設割合は約5%と低く, 常駐の主治医や薬剤師がいない施設が非常に多い.
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薬剤師を対象としたPTPシートの外観類似による取り違え要因に関する実態調査
玉木, 啓文; 佐藤, 宏樹; 堀, 里子 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
10/2018, Volume:
138, Issue:
10
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「緒言」医療現場において医薬品の取り違えはしばしば発生しており, 患者に健康被害が起こった例や死亡に至った事故も存在している. わが国の日本医療機能評価機構からも, 医薬品の取り違え事故報告の取りまとめ結果を基に間違え易い医薬品に関して注意喚起がなされており, 事故防止の観点から医薬品の取り違えを防ぐことは社会的に重要な課題となっている. ...
医薬品の取り違えの誘因には人的なものや環境要因など様々なものがあるが, 医薬品名が類似した組み合わせで多数の事故が起こっており, その類似性の検討が行われてきた. 医薬品の外観についても, 近年の研究では, 規格が異なるPTPシートの組み合わせの処方回数あたりの取り違え率に, シート画像のカラーヒストグラムの類似性などが相関することが報告されており, 外観の類似が医薬品の取り違えの誘因になっていることが示唆されている. 外観の類似による取り違えを防止する対策として, 注射剤のアンプルやバイアルは, 容器が小さいため間違え易く, 間違えた際の危険性も高いため, 医療従事者による識別性を向上するための表示方法の改善や, 注射剤用の自動払出装置や照合システムの導入により, 取り違えの防止が図られている.
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特別養護老人ホームにおける潜在的な不適切処方解消にむけた薬剤師の能動的介入の試み
三木, 晶子; 佐藤, 宏樹; 松本, 優作 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
2024/01/01, 20240101, Volume:
144, Issue:
1
Journal Article
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「緒言」現在, 老人保健施設においての薬剤師の必要数は「実情に応じた適当数」として「入所者の数/300以上」が必要であるとされているが, 指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)においては看護師の設置基準は設けられているものの設置基準に薬剤師という単語すら存在しない. 厚生労働省は2005年医療及び介護ニーズの多様化に伴い, ...
免許を有さない者が医療や介護に携わる場面が増えたことを背景に高齢者介護の現場等において原則として医行為ではない業務をまとめて通知した. 現時点で1)皮膚への軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く), 2)皮膚へ湿布の貼付, 3)点眼薬の点眼, 4)一包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む), 5)肛門からの坐薬挿入又は鼻腔粘膜への薬剤噴霧が医行為ではなく, 医師・看護師がその場に不在であっても介護スタッフは入居者の一包化された内用薬の服薬介助及び外用剤の使用を行うことができる.
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頭頸部表在癌に対する Endoscopic Laryngo-pharyngeal Surgery (ELPS) の短期治療成績
佐藤, 宏樹; 塚原, 清彰; 岡本, 伊作 ...
日本耳鼻咽喉科学会会報,
06/2019, Volume:
122, Issue:
6
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内視鏡的咽喉頭手術 (endoscopic laryngo-pharyngeal surgery: ELPS) は頭頸部表在癌に対する経口的切除法の一つである. 当院では彎曲型喉頭鏡を用いて咽喉頭を展開後, 消化器内視鏡医が拡大内視鏡により病変の観察を行い, 術者である耳鼻咽喉科・頭頸部外科医が先端可変式の高周波ナイフを用いて病変を切除している. 切除の際, ...
病変周囲や粘膜下への局注は消化器内視鏡医が内視鏡の鉗子口を経由して局注針を用いて行っており, 場合によっては切開や助手的な手技も行う. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科医と消化器内視鏡医の連携が重要である. 2014年8月~2017年12月の間に頭頸部表在癌例に対して施行した計50回の ELPS における40例57病変を対象に後方視的に検討した. 原発部位は下咽頭: 中咽頭: そのほかが43: 7: 7病変であった. 1病変の平均切除時間は59分で, 病理学的切除端は pHM0: pHM1: pHMX が27: 16: 14病変, pVM0: pVM1 が56: 1病変であった. 経口摂取開始日の中央値は1日であった. 術後2例でそれぞれ著明な喉頭浮腫と誤嚥により気管切開を行った. 局所再発を3例, 頸部リンパ節再発を4例で認め, 2例で他病死したがそのほか全例非担癌で生存中である. 当院では耳鼻咽喉科・頭頸部外科医と消化器内視鏡医が連携することで, 良好な成績で ELPS を行うことが可能であった.
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薬剤師による経口糖尿病薬の患者服薬指導箋の制作と患者による評価
荒井, 基晴; 前田, 一人; 佐藤, 宏樹 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
10/2016, Volume:
136, Issue:
10
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「背景及び目的」平成24年 国民健康・栄養調査結果の概要によると, 「糖尿病が強く疑われる者」のうち, 現在治療を受けている者の割合は, 男性65.9%, 女性64.3%であり, 男女とも増加している. 糖尿病に伴う細小血管障害や大血管障害といった合併症の予防のためには, 厳格な血糖コントロールが求められ, 食事療法と運動療法で血糖コントロールが不良の際には薬物療法が行われる. 一般に, ...
いかなる薬物療法も患者が指示通り服薬していることが前提であり, 薬物治療に対する患者の理解を高め服薬コンプライアンスや服薬アドヒアランスを向上させる観点から製薬会社は患者向け服薬指導箋を多数制作し, 病院や薬局において広く使用されている. 特に, 糖尿病は服薬コンプライアンスや服薬アドヒアランスを向上させる必要があり, 服薬指導箋の果たす役割も大きいものと予測される.
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施設介護スタッフと薬剤師の連携はどうあるべきか:服薬に関する入居者の安心安全への取り組み
馬来, 秀行; 白石, 朗; 三木, 晶子 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
08/2017, Volume:
137, Issue:
8
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「緒言」わが国では, 2005年に出された厚生労働省の通知に基づき, 医師や看護師等の免許を有しない介護スタッフが, 「一包化された内用薬及び外用薬の入居者による服薬を介助すること」は医行為ではなく, 合法的業務ではある. しかし, 現時点では, 当社の介護施設入居者を巡る医薬品適正使用のための連携は, 主に医師, 薬剤師, 看護師により完結している. すなわち, 医師は入居者を診療後, ...
看護師へ処置や介護の指示, 薬剤師へ処方箋の発行を行い, 薬剤師は看護師へ薬を届けるとともに服薬介助のアドバイスや医薬品情報の提供, 医師へ医薬品情報の提供や処方提案を行う. 看護師は, 医師へは副作用・治療効果の報告, 診療のサポートを行い, 薬剤師へは同様に副作用・治療効果の報告と服薬状況の報告を行っている. 一方, 介護スタッフは看護師から直接の指示を受け, 服薬介助を行っている.
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介護施設における安心・安全な服薬介助を目指した取り組み:介護スタッフを対象としたワークショップ開催による問題点の抽出と対応策の立案
朴, 恵林; 三木, 晶子; 佐藤, 宏樹 ...
YAKUGAKU ZASSHI,
06/2016, Volume:
136, Issue:
6
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「緒言」平成26年現在, 日本の総人口の26.0%は65歳以上の高齢者であり, 高齢者に対する医療や介護体制の充実化が求められている. 日本は世界トップクラスの長寿国であるにもかかわらず, 65歳以上の人口に対する介護施設の数は他の先進国に比べて非常に少なく, 今後, 介護施設の数はさらに増えると予測される. 実際, ...
日本の有料老人ホームの数は2006年の2104施設から2014年には9581施設へと急増しており, 定員数は124610名から387666名に増加している. 有料老人ホームでは, 入居者に対して食事介助, 入浴介助, 排泄介助, 洗濯などのサービスを提供しているほか, 86.2%の施設では服薬管理サービスを提供している. わが国においては, 2005年に出された厚生労働省の通知に基づいて, 医師や看護師等の免許を有しない介護スタッフは, 一包化された内用薬及び外用薬の入居者による服薬を介助することができる.
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