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  • 術前診断に難渋した膵海綿状血管腫の1例
    松尾, 洋一; 林, 香月; 上田, 悟郎; 加藤, 知克; 青山, 佳永; 大見, 関; 林, 祐一; 今藤, 裕之; 齊藤, 健太; 坪井, 謙; 森本, 守; 小川, 了; 高橋, 広城; 吉田, 道弘; 近藤, 啓; 宮部, 勝之; 内藤, 格; 瀧口, 修司

    膵臓, 2021/08/31, Volume: 36, Issue: 4
    Journal Article

    症例は79歳男性.検診で膵腫瘤を指摘され,精査目的で当院へ紹介となった.血液検査で血清ガストリンの高値を認めたが,腫瘍マーカーは基準範囲内であった.CTで膵体部に8mm大の造影早期相で動脈と同程度に濃染する腫瘤を認め,後方視的検討により,4年前に比べて増大していることを確認した.動脈瘤を疑い腹部血管造影検査を施行したところ,動脈瘤は否定的で充実性多血性腫瘍が疑われた.EUSでも同様の所見で,生検も考慮したが出血の可能性を危惧して施行しなかった.診断と治療を目的に膵体尾部切除術を施行した.腫瘍では,異型を伴わない血管内皮細胞様細胞が大型の血管腔を形成しつつ増殖しており,免疫染色所見もあわせて膵海綿状血管腫と病理診断した.膵血管腫はまれな疾患であり,本邦報告例とともに概説する.