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  • 学校教育相談の定義について
    大野, 精一

    教育心理学年報, 1998, Volume: 37
    Journal Article

    教育現場での実践活動である学校教育相談は, 学校心理学と連携・協働しながら, その機能的実践的な定義と今後の展望を明確にしつつある。すなわち, 学校教育相談とは, 児童生徒の学習面, 進路面, 生活面の課題や問題に対して, 情緒的のみならず情報的・評価的・道具的にもサポートをするため, 「軽快なフットワーク, 綿密なネットワーク, そして少々のヘッドワーク」を活動のモットーに, 「反省的実践家 (reflective practitioner) としての教師」というアイデンティティの下で, すべての子どもにかかわり, 一部の子どもとしのぎ, 特定の子どもをつなげ, そして, すべての子どもがもっと逞しく成長・発達し, 社会に向かって巣立っていけるように, 学校という時空間をたがやすところのチームによる実践的な指導・援助活動である。また, 学校心理学の成果から学んで, 学校教育相談を質の高い段階的で継起的な専門的援助サービスができるような構造的システムとして構築すること, 今日まで不十分であった心理教育アセスメントや学習面への援助を学校教育相談の実践に具体的に位置づけること, そして障害児教育を含めて学校教育全体にかかわる指導と援助の体系として学校教育相談を構成することが, 学校教育相談の今後の課題である。