1.
急性脳梗塞と急性心筋梗塞を同時に来し,t-PA 静注療法が奏功した1 例
田中, 健一郎; 中安, 弘幸; 周藤, 豊 ...
脳卒中,
2017, Letnik:
39, Številka:
3
Journal Article
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急性脳梗塞と急性心筋梗塞をほぼ同時に発症し,t-PA(tissue plasminogen activator)静注療法が両者に奏功した症例を経験した.症例は66 歳の女性.突然の左不全麻痺にて,当院へ救急搬送された.来院時には構音障害,左不全片麻痺,左半身感覚鈍麻を認めており,画像検査にて急性脳梗塞であることが判明し,同時にうっ血性心不全を伴う急性心筋梗塞も来していた.t-PA ...
静注療法により,急性脳梗塞,急性心筋梗塞ともに軽快した.これまでにも急性脳梗塞と急性心筋梗塞の同時発症症例においてt-PA 静注療法が行われた報告はあり,必ずしも予後良好の報告ばかりではないが,同様の症例においてはt-PA 静注療法も有用であると考えられる.
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2.
神経内科専門医育成の現状についてのアンケートの解析結果
園生, 雅弘; 西山, 和利; 安藤, 哲朗 ...
臨床神経学,
2017, Letnik:
57, Številka:
7
Journal Article
Recenzirano
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神経内科専門医育成の現状を明らかにすることは,神経内科の専門医制度をどう構築するかを考える上で重要である.日本神経学会神経内科専門医課題検討委員会では,全国の神経学会教育・准教育施設を対象に,専門医育成の現状についてのアンケート調査を行った.回答率は46.2%,大学病院本院からの回答率は87.5%であった.これにより5年間での全数の約8割と推測される専攻医905人の研修過程を明らかにし得た.87.8%の専攻医が初期研修終了直後の医師3年目より神経内科研修に専念していた.初期研修終了後の3年間について,51.3%の専攻医が大学-市中病院のローテート研修を,36.5%が単独施設で研修を行っていた.
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3.
ホモシスチン尿症をともなったメチルマロン酸尿症の1例
山本, 幹枝; 安井, 建一; 渡辺, 保裕 ...
臨床神経学,
2015, Letnik:
55, Številka:
1
Journal Article
Recenzirano
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症例は18歳女性である.幼少期より易疲労性があり,14歳で腎障害,15歳より精神症状をくりかえし歩行障害が出現した.18歳時に歩行障害が増悪し当科を初診.痙性対麻痺と腓骨神経麻痺をみとめ,尿中ホモシスチン,メチルマロン酸が著増していた.ホモシスチン尿症をともなうメチルマロン酸尿症コバラミンC型(methylmalonic aciduria and homocystinuria, ...
cobalamin C type; MMACHC)の原因遺伝子であるMMACHC遺伝子に440G>A,470G>Cの複合ヘテロ接合体型ミスセンス変異をみとめMMACHCと診断した.ヒドロキソコバラミン筋注療法により腎障害,歩行障害の改善をえた.MMACHC変異の報告は日本人にまれだが治療により症状改善が期待できるため重要な先天性代謝疾患である.
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4.
神経根脊髄症を呈し腹部リンパ節生検にて診断しえた結核性脊髄神経根炎の1例
周藤, 豊; 伊藤, 悟; 野村, 哲志 ...
臨床神経学,
2015, Letnik:
55, Številka:
11
Journal Article
Recenzirano
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症例は30歳男性である.急性発症の右臀部痛,下肢脱力で入院した.両下肢の徒手筋力検査3,腱反射低下,S3~5領域異常感覚,膀胱直腸障害をみとめた.MRIで下部胸椎レベルの脊髄から脊髄円錐,その脊髄周囲,馬尾の造影効果をみとめた.脳脊髄液は細胞数増多,蛋白上昇,糖低下をみとめ,結核菌PCRと培養は陰性であった.膵頭部周囲の多房状の腹部リンパ節腫大をみとめ,リンパ節生検組織の抗酸菌培養より結核菌をみとめた.腹部リンパ節結核と診断し,抗結核薬を開始し,神経学的所見と脳脊髄液の改善傾向から,結核性脊髄神経根炎と診断した.結核性脊髄神経根炎の診断にリンパ節生検や培養を含めた全身検索の有用性が示唆された.
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5.
斜台骨髄炎と海綿静脈洞部腫瘤性病変を呈しステロイドが奏功したLemierre症候群の1例
高橋, 正太郎; 伊藤, 悟; 田頭, 秀悟 ...
臨床神経学,
2015, Letnik:
55, Številka:
5
Journal Article
Recenzirano
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症例は73歳男性である.発熱と後頭部痛,眼球運動障害,複視,右眼瞼下垂のために入院となった.入院後に頭痛と眼症状の増悪がみられ,意識障害を呈した.頭部MRIでは斜台部造影増強効果と鞍上部・海綿静脈洞部に造影増強効果をもつ腫瘤性病変をみとめ,頸部CTでは左内頸静脈の血栓性閉塞をみとめた.血液培養結果からFusobacterium ...
nucleatumによるLemierre症候群と診断し,抗菌薬と経口ステロイド薬の併用による治療をおこなったところ症状は消失した.Lemierre症候群に起因する斜台骨髄炎,海綿静脈洞病変はきわめてまれであるが,ステロイド併用によりすべての症状を治療しえた貴重な症例であった.
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6.
地域・地方における世界に発信できる神経治療研究の発展に向けて
中島, 健二
神経治療学,
2017, Letnik:
34, Številka:
3
Journal Article
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「はじめに」神経疾患は診断できても治療法がないと揶揄された時代も過去にはあった. 近年, 神経治療は大きく進歩して多くの治療薬が登場し, その選択や使い分けも臨床における課題の一つになってきている. さらに, 神経領域においては新しい疾患概念も登場し, 神経治療を取り巻く環境は大きく変化している. その変化の実態を捉え, ...
今後の神経疾患の治療・予防に向けて対応していくためにも神経疾患の地域における疫学調査は重要である. 地方は人口が少なく, 多数の症例収集がしにくかったりする反面, 高齢者の移動が少なかったりして疫学調査に向いている点もある. 我々の施設では, 地域における神経疾患の疫学調査を行ってきている. 本講演では, これらの成績のうちのいくつかを取り上げて振り返ってみたい. 「I. 認知症」我が国における認知症有病率について報告されているが, 以前に比べると増加傾向がみられる. これには, 高齢化や診断法の改善などが影響していると考えられている.
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7.
2.高齢者の脳出血の現状
古和, 久典; 中島, 健二
日本老年医学会雑誌,
2017, Letnik:
54, Številka:
4
Journal Article
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脳出血によって,寝たきりや重度後遺症をきたす患者は,加齢に伴って増えていく.降圧療法の普及に伴い,脳出血危険因子としての高血圧の影響は低下しているものの,高血圧はいまだもっとも影響の強い危険因子である.新たなMRI撮像法を用いることによって,高齢者に多く,脳葉型出血を呈し,高血圧の関与が少なく,再発を繰り返す脳アミロイドアンギオパチーに関連した脳出血の臨床診断や,微小脳出血の検出が可能となり,抗血栓療法を開始する際には,その適応の検討や血圧管理に留意することが必要である.
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8.
認知症疾患診療ガイドライン2017
中島, 健二; 古和, 久典
Nihon Naika Gakkai zasshi,
2018/03/10, Letnik:
107, Številka:
3
Journal Article
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9.
日本神経治療学会の現状と今後を考える
中島, 健二
神経治療学,
2016, Letnik:
33, Številka:
2
Journal Article
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「はじめに」神経疾患には, いまだ原因が不明で, 進行性の経過を示し, 治療法が確立しておらず, 患者数の少ない, いわゆる難病と呼ばれる疾患が少なくない. 一方, 脳卒中やてんかん, 頭痛, 認知症などのように, 極めて患者数の多い神経疾患の治療も重要である. 神経治療学は, 薬物治療のみならず, 遺伝子治療や再生医学, リハビリテーションや電気刺激療法, ...
ブレイン・マシン・インターフェイスなどを含め, 大きく発展してきた. 日本神経治療学会は神経疾患治療の発展に貢献してきた. 一方, 昨年の本学会総会の理事長講演で述べたように, 日本神経治療学会にはいくつかの課題も生じてきている. このような時期に, 本学会の理事長を拝命し, 2年間が経過した. ここでは, この2年の本学会活動を振り返り, 今後の展開について考えてみたい. 「I. 日本神経治療学会の歴史」本学会は, 1983年に神経内科治療研究会として発足したことに始まる.
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10.
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