1.
がん腫瘍制御とn‐3系脂肪酸投与
小川, 了; 竹山, 廣光
Geka to taisha, eiyo/Geka to taisha, eiyō,
2019/12/15, 20191215, Letnik:
53, Številka:
6
Journal Article
Odprti dostop
n‐3系脂肪酸は魚油, ボラージ油 (ルリジサ種子油) に豊富に含まれている脂肪酸で, n‐6系脂肪酸とともに必須脂肪酸である. このうちEPA, DHAには抗炎症作用や抗癌作用があることが多くの研究で明らかとなってきている. 作用機序に関してはいまだ十分に解明されていないが, 近年, n‐3系脂肪酸から細胞間生合成経路によって産生されるレゾルビンなどの代謝産物が同定され, ...
脂質メディエーターとして働き, 炎症の消退に関与していることがわかってきている. また, EPAの癌に対する作用については, 細胞レベルの実験では膵癌, 乳癌, 結腸癌, 肝細胞癌, 肺癌, 食道癌などにおいて種々の癌によって報告されている. EPAはNF‐κBの活性化を抑制し, 炎症性サイトカインの産生を制御することから, 癌制御目的や抗炎症目的にEPAを投与もしくはEPA含有する免疫栄養療法が注目され, 前向き試験が行われてきた. しかし, 現時点は臨床において炎症や癌の制御に対するはっきりとした有効性は認めていない.
več
Celotno besedilo
PDF
2.
術前診断に難渋した膵海綿状血管腫の1例
松尾, 洋一; 林, 香月; 上田, 悟郎 ...
膵臓,
2021/08/31, Letnik:
36, Številka:
4
Journal Article
症例は79歳男性.検診で膵腫瘤を指摘され,精査目的で当院へ紹介となった.血液検査で血清ガストリンの高値を認めたが,腫瘍マーカーは基準範囲内であった.CTで膵体部に8mm大の造影早期相で動脈と同程度に濃染する腫瘤を認め,後方視的検討により,4年前に比べて増大していることを確認した.動脈瘤を疑い腹部血管造影検査を施行したところ,動脈瘤は否定的で充実性多血性腫瘍が疑われた.EUSでも同様の所見で,生検も考慮したが出血の可能性を危惧して施行しなかった.診断と治療を目的に膵体尾部切除術を施行した.腫瘍では,異型を伴わない血管内皮細胞様細胞が大型の血管腔を形成しつつ増殖しており,免疫染色所見もあわせて膵海綿状血管腫と病理診断した.膵血管腫はまれな疾患であり,本邦報告例とともに概説する.
Celotno besedilo
3.
喉頭摘出術を併施した頸部食道癌例
村嶋, 明大; 川北, 大介; 的場, 拓磨 ...
頭頸部癌,
2023, Letnik:
49, Številka:
3
Journal Article
Odprti dostop
頸部食道癌は全食道癌の約5%の希少疾患である。頭側への進展例では喉頭摘出が必要となり,頸部リンパ節転移例も多いことから,頭頸部外科の重要性が高い。名古屋市立大学病院では喉頭摘出・頸部郭清術を必要とする症例は頭頸部外科が頸部操作を行う。今回2017年から2022年までに,当院にて手術加療を行った頸部食道がん25例のうち,喉頭合併切除を要した15例を対象に後方視的検討を行った。年齢中央値は69歳,男性12例,女性3例であった。全症例が扁平上皮癌で,臨床病期はステージIが2例,ステージⅡが5例,ステージⅢが7例,ステージⅣaが1例であった。15例のうち7例は頸部操作のみで摘出可能であった。2年全生存率は33.3%,無病生存率は33.3%であった。術後合併症は9例で認め,気管壊死が1例に生じ処置を必要とした。頸部食道がんの治療には頭頸部外科・消化器外科の協力が重要である。
Celotno besedilo
4.
審査腹腔鏡を併用し治療した鼠径部子宮内膜症の1例
上田, 悟郎; 松尾, 洋一; 大見, 関 ...
日本消化器外科学会雑誌,
2021/04/01, Letnik:
54, Številka:
4
Journal Article
Odprti dostop
症例は42歳の女性で,半年前からの月経に伴う右鼠径部の有痛性腫瘤を主訴に受診した.右鼠径部に15 ...
mm大の圧痛を伴う腫瘤を認め還納は不能であった.CTおよびMRIで右鼠径部に腹腔内から連続する軟部腫瘤を認め,鼠径ヘルニアに合併した鼠径部子宮内膜症と術前診断した.挙児希望があり,診断および切除を目的に手術を施行した.審査腹腔鏡で腹腔内に明らかな異所性子宮内膜症がないことと右外鼠径ヘルニアを確認した.前方アプローチを併用し,腫瘤の摘出とヘルニア修復術を行った.病理検査で子宮内膜症と最終診断した.術後4年,他の部位を含め子宮内膜症の再発を認めていない.鼠径部病変切除後に同所性または異所性に再発した報告例も散見するため,特に挙児希望などで術後に薬物療法を行えない症例では,審査腹腔鏡で併発病変の有無を確認することは有用であると考えられた.
več
Celotno besedilo
PDF
5.
腸閉塞を契機に発見された真性腸石を伴うMeckel憩室の1例
加藤, 潤紀; 早川, 俊輔; 柳田, 剛 ...
日本腹部救急医学会雑誌,
2021/07/31, Letnik:
41, Številka:
5
Journal Article
Odprti dostop
症例は87歳女性で,前日からの下腹部痛で当院を受診した。炎症反応の上昇は認めなかったもののCT上,小腸の拡張と内部に球状異物を認め,異物による腸閉塞の診断で同日緊急手術を施行した。腹腔鏡で観察後,高度な癒着のため開腹に移行した。拡張部位はMeckel憩室であり,憩室内に4cm大の結石が嵌頓していた。小腸を切除し憩室および結石を摘出した。病理組織学的所見では憩室粘膜に壊死,出血,膿瘍の所見を認めていた。腸石については成分分析の結果真性腸石と診断した。真性腸石を伴うMeckel憩室炎により腹痛をきたした極めてまれな1例を経験したため,文献的考察を加え,報告する。
Celotno besedilo
6.
がんと免疫栄養療法ならびにがん免疫と栄養療法
小川, 了; 竹山, 廣光
日本静脈経腸栄養学会雑誌,
2017, Letnik:
32, Številka:
1
Journal Article
Recenzirano
Odprti dostop
栄養状態は術後合併症の発生に大きく関与し、手術予後を左右する重要な因子である。栄養不良の患者に対して、術前の中心静脈栄養による栄養管理を行うことで、術後の感染性合併症を減少させられることがわかってきたが、腸管粘膜の萎縮やそれに伴う腸管免疫能の低下といった問題もあり、経腸栄養を用いた栄養管理の有用性が明らかとなってきた。その中でも、n-3系脂肪酸、アルギニン、グルタミン、核酸等を含有した栄養剤を用いて、生体の免疫機能の増強、調節を目的とした経腸栄養法を免疫賦活栄養法といい、前述の免疫賦活栄養素を複合配合した経腸栄養剤を用いた臨床研究が欧米を中心に多く発表されている。本稿では、これまでに報告された免疫賦活栄養法の臨床研究のうち外科待機手術患者を中心とした報告と免疫賦活栄養素の効果・作用機序について概説する。
Celotno besedilo
7.
Celotno besedilo
8.
Upside down stomachを呈する食道裂孔ヘルニアに胃gastrointestinal stromal tumorを合併した1例
塩崎, みどり; 木村, 昌弘; 石黒, 秀行 ...
日本消化器外科学会雑誌,
2014, Letnik:
47, Številka:
2
Journal Article
Odprti dostop
症例は87歳の女性で,嘔気と嚥下困難を訴え来院した.CTで縦隔に脱出した胃と,胃壁に連続し造影効果を伴う腫瘤を認めた.上部消化管造影検査では,全胃が縦隔内に脱出し軸捻転を伴うupside down ...
stomach像を呈し,前庭部に中心部に潰瘍を有する隆起性病変を認めた.上部消化管内視鏡検査では前庭部に潰瘍を伴う隆起性病変を認めた.同部の粘膜に腫瘍性変化は認めなかった.以上より,胃粘膜下腫瘍を合併した食道裂孔ヘルニアと診断した.開腹時,全胃の縦隔内への脱出を認めた.腫瘍と胃を腹腔内に戻したのち,幽門側胃切除術,食道裂孔縫縮術を行った.病理組織学的検査所見より胃gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)と診断した.術後経過は良好で,経口摂取可能となり術後20日目に退院となった.食道裂孔ヘルニアに合併し縦隔内に脱出した胃GISTはまれであり,文献的考察を加えて報告する.
več
Celotno besedilo
PDF
9.
Celotno besedilo
PDF
10.
Celotno besedilo