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丸山ワクチンは今
江上, 格
日本医科大学医学会雑誌,
02/2017, Letnik:
13, Številka:
1
Journal Article
Odprti dostop
がん薬物療法における免疫チェックポイント阻害薬の治験結果は, 当初の想定を超え"進行がんにも有効性を示す"免疫療法であることが検証され, これは従来のがん薬物療法を超えた, 癌治療全体での位置づけを一変させる画期的成果であると評されました. その背景には, それまでに蓄積された免疫システムの夥しい知見により, ...
更に一段と進歩を重ねたヒトにおける分子・細胞レベルでの腫瘍免疫の解明が進んだことが要因であったと推察されます. こうした状況は丸山ワクチンにどんな影響を及ぼしているのでしょうか. 丸山ワクチンは昭和56年の厚労省による"有償治験"と言う変則的な形での使用が現在も続いています.
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2.
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Helicobacter pylori除菌治療に伴う血液学的変化の観察
松久, 威史; 江上, 格
Progress of Digestive Endoscopy,
2004, Letnik:
65, Številka:
2
Journal Article
Odprti dostop
Helicobacter ...
pylori陽性例の除菌治療に伴う血液学的変化を除菌成功例(122例),不成功例(15例)において観察し,除菌治療とは無関係の66例(対照群)とも比較した。対照群はプロトンポンプ阻害剤(PPI),H2ブロッカー,防御因子製剤の投与されているものが大部分を占めている。除菌群の血液,肝機能検査は,除菌前とPPI,アモキシシリン,クラリスロマイシンを7日間投与した2カ月後に,対照群は初診時と2カ月後に行った。除菌成功例では白血球増加(7.3%,そのうち高度増加例は2.7%),赤血球減少(8.4%),Hb減少(9.1%),Ht低下(8.1%),血小板減少(12.4%)が,除菌不成功例では赤血球減少(8.3%),Hb減少(20.0%),Ht低下(6.7%),血小板減少(30.8%)がみられた。対照群においても類似した傾向を示したが白血球高度増加例は認められなかった。一方,除菌成功例における肝機能検査値をみると,GOT,GPT,γ-GTP,LDHが上昇しており(各々4.1%,3.3%,5.1%,12.6%),除菌不成功例,対照群も同様の上昇率だった。除菌成功例では急性薬物性肝障害が1例存在した。除菌成功例,不成功例における血液,肝障害の頻度に差は認められなかった。対照群においても血液,肝障害がみられ,治療薬の影響が考えられたが,白血球高度増加,急性薬物性肝障害は認められなかった。除菌治療に伴う血液障害は添付文書に記載されている頻度(5%未満)より高く,血液,肝障害に十分注意を要することが示された。
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C型慢性肝炎に対するインターフェロン療法著効12年後に発症した破裂肝細胞癌の1切除例
川野, 陽一; 江上, 格; 笹島, 耕二 ...
肝臓,
2007, Letnik:
48, Številka:
2
Journal Article
Recenzirano
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C型慢性肝炎に対するインターフェロン(以下,IFN)治療後にHCV-RNAの持続的陰性化とALT値の正常化が得られる著効例からの肝細胞癌(以下,HCC)の発生率は少ないとされる.患者は65歳の男性で,C型慢性肝炎に対してIFN-βによる治療により著効を得た.IFN著効12年後の肝S7の破裂HCCに対し,動脈塞栓術による止血後にS7亜区域切除を施行した.切除標本では,IFN開始時,新犬山分類のF3/A2であった線維化と壊死,炎症所見が切除時にはF0/A0まで改善していた.また,極めて多くのMib-1陽性細胞を有する低分化型肝細胞癌であった.IFN長期著効例であっても発癌の可能性を十分に考慮した経過観察が必要であると考えられた.
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4.
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胃前庭部と瘻孔を形成した黄色肉芽腫性胆嚢炎の1例
松谷, 毅; 江上, 格; 笹島, 耕二 ...
日本腹部救急医学会雑誌,
2007, Letnik:
27, Številka:
3
Journal Article
Odprti dostop
55歳の女性。発熱・黄疸を主訴に来院。血清ビリルビン値とトランスアミナーゼ値の上昇, および腹部CT検査で, 胆道気腫と胆嚢壁の著明な肥厚を認めた。緊急内視鏡的胆道ドレナージを行い, 総胆管結石を認めたが, 胆嚢は描出されなかった。上部消化管造影検査で胃前庭部に瘻孔形成を認めた。術中に胆嚢は同定できなかった。胆嚢と考えられた部位の迅速病理診断で黄色肉芽腫性胆嚢炎が強く疑われたが, ...
胆嚢癌との鑑別は困難であったため, 拡大胆嚢摘出術, 肝外胆管切除術に加え, 幽門側胃切除術を施行した。再建は肝管空腸吻合および胃空腸吻合とした。病理組織学的診断は黄色肉芽腫性胆嚢炎であった。摘出標本で胆嚢内腔から胃前庭部前壁への瘻孔形成を認めた。黄色肉芽腫性胆嚢炎は比較的まれな疾患で, 胃壁と瘻孔を形成した報告は1例のみであった。
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Schnitzler転移による約17cmの直腸狭窄症状の改善に金属ステント留置が有用であった1例
松谷, 毅; 笹島, 耕二; 天野, 汎 ...
日本消化器内視鏡学会雑誌,
2005/03/20, Letnik:
47, Številka:
3
Journal Article
Recenzirano
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54歳女性.50歳時に胃癌stageIV に対し,胃全摘・横行結腸切除術を施行していた.術後約4年後に下血,腹部膨満感,便通異常が出現し入院となった.注腸造影検査と大腸内視鏡:検査で,直腸S状結腸に全長約17cmの全周性狭窄を認めた.生検で印環細胞癌を認めSchnitzler転移による狭窄と診断し,expandable metallic ...
stentを留置した.留置後,死亡までの5カ月間軽度の腹部膨満感と少量の下血は持続したものの,便通異常は軽減した.全身状態の比較的安定した悪性直腸狭窄に対し,本法は手技も容易であり,狭窄症状の改善に有用であると思われた.
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チタン製プレートで胸壁を再建した胸壁原発紡錘形細胞肉腫の1例
山本, 英希; 松島, 申治; 江上, 格 ...
日本臨床外科学会雑誌,
2004/04/25, Letnik:
65, Številka:
4
Journal Article
Odprti dostop
症例は62歳,男性.左側胸部から背部の痛みを主訴として近医を受診し,肋骨骨折を指摘された.胸部CTで,左胸壁に肋骨を巻き込んだ多発性腫瘍を認め,手術を行った.左第7肋骨から第10肋骨まで肋骨4本を含む胸壁切除を行った.欠損範囲が15×10cmと大きく, Marlex ...
meshのみによる胸壁再建では胸郭の変形が生じるため,チタン製リコンストラクションプレートを用いて再建した.術後は胸壁動揺や感染を認めず順調に経過した.腫瘍は病理組織学的に紡錘形細胞肉腫と診断された.術後3年経過し,無再発生存中である.チタン製リコンストラクションプレートを用いた結果,胸郭の変形は軽微で,肺機能も良好に保たれている.
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術前診断し得た閉鎖孔ヘルニアの3例
中村, 慶春; 田尻, 孝; 江上, 格 ...
日本腹部救急医学会雑誌,
2003/09/30, Letnik:
23, Številka:
6
Journal Article
Odprti dostop
症例1: 80歳, 女性. 悪心嘔吐にて来院した. 右大腿部内側に圧痛が認められ, 同部の超音波, CT検査にて右閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断した. 症例2:77歳, 女性. 2年前より股関節痛が左右交代性に認められていたが経過観察されていた. 今回左股関節痛を伴ったイレウスを発症し, 超音波, CT検査にて左閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断した. 症例3: 96歳, 痴呆症を伴った女性. ...
心不全で入院加療中に突然イレウス症状が出現した. 局所所見, Howship-Rombergsignが認められなかったため診断に難渋したが, イレウス管にて減圧後, 小腸造影, CT検査を施行し左閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断した. 全例腹腔法にてmeshinlay法を施行した. 症例2は腹腔鏡下に観察したところ, 対側の閉鎖孔ヘルニアと内鼠径ヘルニア合併例と診断し得た. 以上, 術前に診断し得た3例の閉鎖孔ヘルニアを経験した (内1例は既報例) ため, 本疾患の基本的な対応にっいて考察した.
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膵頭十二指腸切除術後の腹腔内出血に対し
横山, 正; 江上, 格; 笹島, 耕二 ...
日本腹部救急医学会雑誌,
2003/09/30, Letnik:
23, Številka:
6
Journal Article
Odprti dostop
膵頭十二指腸切除術後の動脈破綻による二度の腹腔内大量出血に対し, 開腹止血術で救命し得た症例を経験した. 患者は59歳, 男性. 精査にて, 十二指腸浸潤を認める膵頭部癌と診断, 膵頭十二指腸切除術を施行した. 術後は順調に経過していたが16日目に腹腔内出血によるショック状態を呈したため, 緊急開腹術を施行した. 初回手術時に誤って損傷した総肝動脈が出血点であり, これを縫合止血した. しかし, ...
この手術後11日目に再び出血, 動脈塞栓療法が不成功であったため再度の緊急開腹術を施行した. 出血部位は前回と同部位であったが, 血管壁脆弱のため縫合修復不可能であり, やむを得ず刺入結紮を行い止血した. 術後, 軽度の肝機能障害を認めたが比較的速やかに軽快し, 初回手術後から88日目に退院となった. 膵切除術後の腹腔内出血に対し二度にわたる開腹止血術で救命し得た例はまれと考えられた.
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Celotno besedilo
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膵・胆管合流異常の外科
江上格
Journal of Nippon Medical School,
08/2000, Letnik:
67, Številka:
4
Journal Article
Recenzirano
ヒトの先天性形態異常が固体の成長, 加齢の過程でどのような病態を呈するかは疾患の成因を研究する上で興味深いことである. 1つの発生学的異常の発見と研究によって関連疾患の病態メカニズムがドミノ倒しのように次々と解明されることがある. 膵, 胆管合流異常(以下合流異常)とは:1987年日本膵管胆道合流異常研究会の診断基準によると「膵管と胆管が十二指腸壁外で合流し, ...
壁内括約筋機能が同部位に及ばないもの」と定義される. 膵管と胆管が合流した共通管が著しく長く, 逆流防止機構が機能出来ず膵液と胆汁が相互に逆流するために種々の胆道, 膵疾患を惹起し多彩な病態を呈する. 歴史的にみると古くより諸家により注目されていたが, 1966年Bab-bittにより先天性胆道拡張症の成因に合流異常が提唱されたのを契機に, その後ERCPの進歩普及により診断が適確になったことと相侯って研究が進んだ. 私の合流異常研究の動機となった症例:24年前の患者. 23歳女性. 6年前他院で総胆管嚢腫の手術をうけ, 今回胃の幽門狭窄にて入院, 手術時肝門部に腫瘤を認めたが原因が判然としないまま空置的胃切除(B-)が行われた. その後間もなく黄疸が出現し再入院, 減黄のためPTCDを行った. 総胆管嚢腫は大きく遺残し陰影欠損を示していた. 生検にてadenocar-cinomaが証明された. 当時私は胆道拡張症の若年者に癌発生が高率にみられることを指摘したが一顧だにされなかった. しかし, この症例を契機に先天性胆道拡張症, そして膵, 胆管合流異常の研究へと進んでいった. 20数年に亙る合流異常の病態と胆道, 膵疾患の成因に関する研究は胆嚢癌, 胆管癌および胆道拡張症, 膵炎, 胆管炎, 胆石, 膵石, 胆嚢, adenomyomatosisなど多岐に亙っている. 1. 膵管胆道合流異常の頻度 1975年より1992年までの日本医大第1外科および第3内科のERCP4,832例で, このうち3,110例は合流部描出不良にて除外され, 残り1,722例の検討では合流異常例は52例3.0%であった. これらについて原疾患と合流異常の頻度について検討した結果は, 胆石症1,082例(合流異常合併10例, 0.9%), 胆嚢癌43例(14例, 32.6%), 胆管癌71例(4例, 5.6%), その他526例(24例, 4.6%)であり, その他の疾患の合流異常合併例24例は1例を除きすべて胆道拡張症であった. また, 1,722例中胆道拡張は37例で1例を除きすべて合流異常を伴っていた. 2. 合流異常と先天性胆道拡張症 合流異常52例のうち, 拡張症を伴う36例と非合併例16例の2群を比較検討したところ, 平均年齢(32.1歳vs45.8歳)で男女比(10/26vsl/15)と拡張例は若年齢が多く, また非拡張例は1例を除きすべて女性であった. また, これら52例において胆嚢癌合併14例中10例が非拡張型で, 胆管癌合併4例中3例が拡張症であった. 胆道拡張症例には若年者例が多数あり合併疾患も胆管炎, 膵炎と良性疾患が多数を占めていた. 3. 合流異常合併の胆嚢癌の臨床病理学的特徴 合流異常合併胆嚢癌14例を非合併胆嚢癌29例と比較検討した結果, 合流異常合併胆嚢癌は非合併例に比べ極めて特徴的で年齢が(49.4vs61.4)と約10歳若く, 男女比は(0/14vs12/17)と著しく女性優位で胆石合併(1/14vs21/29)と明らかに胆石合併が低く, 膵胆管共通管長は(26.1vs4.7)と明らかに長かった. また, 胆道拡張症は合流異常合併胆嚢癌14例中4例と少なかった. 結語 膵, 胆管合流異常が胆道, 膵疾患の成因, 発癌のメカニズムに関与していることが立証され, 新しいclinical entityとして認知されると共に外科的治療法の確立が進んでいる.
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大腸内視鏡検査(粘膜切除)にて直腸癌と鑑別に苦慮した孤立性直腸潰瘍症候群の1例
永嶋裕司; 沖浜裕司; 松田健 ...
Progress of Digestive Endoscopy,
2003, Letnik:
62, Številka:
2
Journal Article
「はじめに」孤立性直腸潰瘍症候群(solitary ulcer syndrome of rectum)は直腸に好発しする比較的稀な疾患である. その形態は単発の潰瘍から多発性潰瘍のこともあり, また隆起型を示すこともあって, 時として直腸癌との鑑別を要す. 今回数年後に隆起型を呈し, 粘膜切除にて直腸癌と鑑別しえた孤立性直腸潰瘍症候群の1例を経験したので報告する. 「症例」症例:40歳, 男性. ...
主訴:なし. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 排便習慣:特に便秘がちということはないが, 排便時間が5分以上と長い傾向にあった. 現病歴:平成9年9月, 便潜血陽性を指摘され, 近医を受診して, 直腸Rbの変形を指摘され当院紹介となる. 精査のため大腸内視鏡を施行した. 初診時の大腸内視鏡像:直腸Rbに浅い孤立性の潰瘍を認めた. 生検で悪性所見は認められなかった(Color 1). 外来経過:その後, 放置していたが, 平成13年5月便潜血陽性を指摘されて再来し, 注腸X線検査および大腸内視鏡検杏を施行した. 注腸X線検査:直腸Rbに約1cmの陥凹性病変を認めた. 境界は軽度隆起していた(Fig. 1). 大腸内視鏡検査:直腸Rbに潰瘍性病変を認めた(Color 2). 潰瘍は前回に比し増悪し, 境界も軽度不整に隆起していたため, 直腸癌も念頭に入れ, 平成13年5月, 6月に, 2回の生検を行ったが好中球浸潤と肉芽形成を背景に細胞異型を認めたが(Group 3)明らかな悪性所見はみられなかった.
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Celotno besedilo
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