ARICHで使用する光検出器HAPDは144chのピクセル検出器であり、HV・Bias・Guardの3種類6系統の電圧印加が必要となる。本研究では光検出器への電圧印加と信号読み出しの制御を行うSlow Control Systemの開発を行い、現在建設中のARICH検出器の一部を使った宇宙線試験で運用している。本講演ではSlow Control ...Systemの開発と宇宙線試験での運用状況について報告する。
Belle II実験のARICHでは真空管とシリコン検出器のハイブリッド構造を持つ光検出器HAPDが磁場中で使用される。試作品を用いた先行研究では、磁場中においてバックグラウンドが抑制されることが測定されていた。しかし、一部の量産品において、磁場の影響で真空管内の光電子軌道が変化してパルスが生じることが新たに判明した。本講演では、量産されたHAPDの磁場によるパルスの影響と対策について報告する。
Belle II実験ARICH検出器では荷電粒子によるチェレンコフ光を2次元リングイメージとして観測し粒子識別を行う。Belle II ARICH ...グループでは建設中のARICH検出器実機に対して宇宙線による動作検証を行っている。本研究では宇宙線観測データを用いて、光検出器の動作確認に加えて宇宙線リングイメージの取得やモンテカルロシミュレーションとの比較を行いARICH検出器の粒子識別能力を検証した。本講演では宇宙線試験での解析手法と結果について報告する。
Belle II実験ではBelle2Linkと呼ばれる共通のデータ収集システムによって各検出器のデータを収集し、パラメータの設定も行う。A-RICH検出器では6万チャンネルもの信号出力とパラメータの設定が必要となる。それらの制御を行うため専用の制御システムとデータ読み出しシステムの開発を行い、部分的に検出器を組み立てその動作を確認した。本講演ではシステムの開発とその運用状況を報告する。