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  • 中山間地域における水田畦畔の傾斜度・面積・畦畔率の算出...
    浜野, 充; 木滝, 勇一朗; 倉田, 祐輔; 渡邉, 修

    農作業研究, 2022/03/20, Letnik: 57, Številka: 1
    Journal Article

    中山間地域の傾斜地における水田農業では,本地面積に対する畦畔・法面の比率が高く,草刈りが労働時間・労働強度の面で負担となり,経営体の規模拡大や高齢化世帯による稲作継続の阻害要因となっている.一方で,全国の水田の畦畔・法面の傾斜を反映させた正確な面積や畦畔傾斜度などの基盤情報が整備されておらず,労働の実態が統計や台帳に現れず,経営体も正確な経営分析がむずかしいことが課題となっている.そこで,本研究では,地理情報システム(GIS)ソフトウェア,精密標高データ(DEM)を利用して,低コストで水田畦畔の傾斜度や面積を計算する技術を見出すことを目的とした.本研究ではフリー・アンド・オープン・ソースソフトウェアであるQGIS3.10や,長野県林務部が計測した航空レーザ測量データによる0.5 mメッシュGeoTIFF,空撮画像を使用して,QGIS上で畦畔情報の算出を試みた.QGISで算出した畦畔情報の精度を検証するため,30畦畔を選定し,実測した畦畔法面の傾斜度の平均値とQGIS上で計測した傾斜度を比較し,二乗平均平方根誤差(RMSE)の算出を行った.それらの結果,GIS上でDEMから傾斜度,畦畔実質面積,畦畔率の算出が可能であることが明らかになった.30畦畔の実測傾斜度平均は34.0°であり,RMSEは1.96°であった.仮に34°の傾斜度の畦畔面積をQGIS上で計算した場合には2.2%の誤差の範囲で,畦畔管理にかかる労働時間や費用の計算に寄与できる.