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  • 膵機能検査法への挑戦―膵内外分泌補充療法のために
    中村, 光男

    膵臓, 2012, Letnik: 27, Številka: 1
    Journal Article

    【はじめに】 近年我が国での膵疾患研究及び臨床には目をみはるものがあり, 画像診断, 内視鏡を用いた診断及び治療, また新しい疾患概念としての自己免疫性膵炎などは世界をリードしている. しかしかつて全盛をふるっていた膵機能(外分泌)検査法pancreozymin-secretin(PS)試験は廃れ, 唯一臨床にPFD(pancreatic function diagnostant)試験のみが外分泌検査法として普及している. 本検査法は膵外分泌不全の病態を診断できるか否か不明である. 一方では, 膵外分泌不全の高力価膵酵素薬も新薬として市販されるようになった. 膵外分泌(機能)不全=膵性脂肪便診断法の開発・普及が急務であるとともに食事・消化吸収・栄養評価に基づいた考え方を共有しなければならない. 本稿では, 第42回日本膵臓学会大会の会長講演の内容をもとに, 筆者らの行ってきた膵機能への挑戦について報告する. 【膵機能の特徴と破綻】 膵機能に関しては, 栄養素を消化するということを始めて明らかにしたClaude BernardのIntroduction a l'etude de la medicine expermentale(1865年)(岩波文庫, 三浦袋栄訳, 実験医学序説)が嚆矢である.