UP - logo
E-resources
Open access
  • 短期間での形態変化を呈した直腸MALTリンパ腫の1例
    高橋, 翔; 福嶋, 浩文; 泉, 健太郎; 田島, 譲; 村上, 敬; 立之, 英明; 上山, 浩也; 澁谷, 智義; 後藤, 明彦; 坂本, 直人; 八尾, 隆史; 荻原, 達雄; 池嶋, 健一; 永原, 章仁; 渡辺, 純夫

    Progress of Digestive Endoscopy, 12/2017, Volume: 91, Issue: 1
    Journal Article

    「はじめに」消化管原発性悪性リンパ腫の発生頻度は胃が60~80%と最も多く, 小腸が20~30%, 大腸は5~10%である. また, 大腸悪性リンパ腫は大腸原発性悪性腫瘍の約1%であり, MALTリンパ腫においては0.2%とされている. 多くは進行病変として認められ, 自験例のように切除可能な局所病変として検出されることは希少である. 今回, 初期の形態変化を捉えることができた直腸限局MALTリンパ腫を経験したので報告する. 「症例」患者: 84歳, 男性. 主訴: なし. 既往歴: 2008年に下行結腸癌に対して下行結腸切除術施行(cStage IB), 頸動脈狭窄症, 高血圧症. 家族歴: 特記事項なし. 現病歴: 2008年の手術以降, 定期的に内視鏡検査を施行されていたが, 2012年を最後に自己中断となっていた. 2015年12月の下部消化管内視鏡検査で, 直腸Raに約8mm大の粘膜下腫瘍様の隆起病変を認めた.