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  • ホットプレート加熱油脂の劣化とその防止
    広井, 勝

    日本油化学会誌, 1997/10/20, Volume: 46, Issue: 10
    Journal Article

    ホットプレート加熱による油脂の劣化について明らかにするために, いくつかの実験を行った。500mLビーカーにとったラード, 植物油 (2gまたは10g) は, ホットプレートを用い200℃で10min加熱した。シリコーン油無添加ならびに5ppm添加のラード, 植物油も同様の方法で加熱した。トコフェロール, シリコーン油, レシチンのようないくつかの抗酸化剤の加熱劣化に及ぼす効果を比較した。加熱ラードの劣化防止に対しては, 0.1%トコフェロール, 0.5%大豆レシチン, 5pprnのシリコーン油の混合添加はそれぞれの単独添加より効果が大きかった。シリコーン油は単独でも加熱油脂の劣化を抑制し, 残存トコフェロールを増加させた。シリコーン油は加熱劣化を効果的に抑えるが, 自動酸化には効果を示さなかった。レシチンの添加されている市販のクッキングオイルは加熱油脂の劣化防止効果を示した。200℃で加熱した油中のトコフェロールの分解度は高リノール酸サフラワー油よりも高オレイン酸サフラワー油のほうが大きかった。油脂の劣化は加熱温度と比表面積に著しく影響された。