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地理的技能の体系的指導による地理学習の改善 : ARGUSのアクティビティの実践
和田, 文雄
地理科学,
01/2001, Letnik:
56, Številka:
1
Journal Article
Odprti dostop
本研究の目的は, 地理学習を探究学習による地理的技能の習得過程とすべきであるという立場から, ARGUSのアクティビティの分析・考察とその典型的なアクティビティの実践から, わが国の高等学校地理教育における学習方法の改善の要点を明らかにすることにある。ARGUSは, ...
米国の高等学校地理教育において地理的技能を広義の学習技能として体系化した全国統一の地理カリキュラム指針である「地理ナショナルスタンダード」を全面的に採用した具体的成果である。その中心的な教材であるアクティビティは, 生徒の主体的な探究学習であり, その目的は, 広義の地理学習技能の習得, すなわち, 概念的知識の習得もしくは合理的な意思決定の能力の育成をめざすものである。授業実践したアクティビティは, ニューヨーク市において現在, 拡がりつつある結核病に対し, その要因を分析し, 行政的な対策を考えるという, 具体的かつ実践的な政治地理の学習活動である。このアクティビティは, 結核病対策のための要因分析の手段として生徒に地図分析をさせ, その技能の習得のみならず, その意義を理解させることをもめざしている。これは地理学習の有効性を実証し, その存在意義を示すものである。アクティビティの実践から, この学習活動が現実を扱う創造的で主体的学習であり, 生徒の興味や関心に応え, その能力差をふまえた意思決定の革新的な地理学習である, ということが例証された。
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小田内通敏の地理学研究 : 在野的・非主流派地理学の形成
岡田, 俊裕
地理科学,
1995, Letnik:
50, Številka:
4
Journal Article
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小田内通敏(1875-1954)は, 学生時代には史学研究を志向し, 社会学にも強い関心をもっていた。そのため彼の地理学研究は, それらの考察法を重視する傾向をもった。また, 新渡戸稲造(1862-1933)や「郷土会」を介して農政学・農業経済学・植物学などを吸収し, ...
地域地理学を住民の生業と生活に即して研究する素地が形成された。その最大の成果が社会経済地理学のモノグラフ『帝都と近郊』(1918)であり, 以後, 行政諸機関や企業の委嘱を受け, 朝鮮・満州・樺太・日本各地の集落・人口を社会経済地理学的に調査した。また彼は, このような地理学研究を普及させるための組織づくりにも尽力し, 1926年には地球学団や日本地理学会に対抗して人文地理学会を設立した。歴史学的・社会科学的考察を重視する小田内の学風は, 山崎直方(1870-1929)などの自然科学的な学風に対比される存在であった。しかし, 学界主流を占めた山崎の学風とは異なり, 当時の地理学界・地理教育界に充分波及したとは考え難い。大学の専任教員として地理学研究者の養成にたずさわることのなかった小田内は, その点で小川琢治(1870-1941)や石橋五郎(1876-1946)とも対照的であった。
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